2003奥久慈トレイルアドベンチャーラン

ジャニーランと名付けられた、呼びかけ人「のうみそ」さんの一連の遠足シリーズ、彼の考えに共感する私にとって、なかでもこの奥久慈トレイルアドベンチャーランは、地元開催でもあり、この遠足に参加できる喜びを感じる。私自身今年で3年連続となる今年は参加者が多く、首都圏を中心に遠くは福岡からも参加しており、クルーを含め総勢は50人でランナは41人の大遠足会となった。

10時に水戸のアウトドアショップ「ナムチェバザール」をスタート。水戸から那珂町、瓜連町、大宮町そして山方町から大子町に入り、袋田の滝から月居山を登り月居温泉にゴールする。初日は10ヶ所のポイントをチェックしながらの遠足である。山方町では、鮎が泳ぎ、カジカガエルが鳴く清流久慈川を渡渉する。昨年は靴を抜き裸足で川に入ったが、川底は藻のついた石でつるつる滑る。そのため今年は靴を履いたまま川にざぶざぶと入った。対岸に渡り石の上に腰を下ろし靴を脱ぎ、濡れた靴下を脱ぎ絞る。それをまた履く。対岸を見ると川からほぼ垂直に急斜面に鮮やかな緑が広がる。こんな所もあったんだとあらてめて感嘆の声を上げる。しばらくは火照った足に清流でのアイシングで、快適に走ることができた。袋田の滝には昨年とほぼ同じ5時40分に着いた。ここから今日最後の難関月居山となり、長い急階段を上る。また階段の後半で痙攣の兆候が感じられた。まずい。ふくらはぎをかばいながらゆっくりと登った。しかしまたやってしまった。去年と同じ両足に痙攣が起こり、猛烈な痛みで動けなくなった。階段の登りで両足が攣ってしまうと足を延ばしたり、足指をそり返すなどできなく、ただ痛みが和らぐのを待つのみ。少し痛みが落ち着いて、姿勢を戻そうとすると再び攣る。そうしているうちに後続の人たちが来た。足指をそり返してもらう。痛みが引き起きようとするとまた攣る。何度繰り返したろう。彼等を引き留めるわけには行かないので先に行ってもらった。体を動かさずしばらく倒れ込んだ姿勢で筋肉を休めた。そうしている内になんとかはいはいの姿勢をとることができ、そのまま両手を使って階段をはい上がれるようになった。すこしして立ち上がることができ、そのままゆっくりながら歩き出した。スタートから8時間と54分、何とか設定時間の午後7時前に着くことができた。

2日目は早朝の4時30分スタート。大量の発汗に備えて塩をラップに包む。今日は大子町から水府村、山方町、大宮町、那珂町から水戸市に入る。途中13ヶ所のチェックポイントを通過する。しばらくは奥久慈の山中歩きとなり、スタート後約30分過ぎ尾根にのる。樹林帯の中、時折展望が得られる。鮮やかな新緑の中ヤマボウシであろうか純白の花が見える。私の後ろからはいつも女性に囲まれているひげの高味さんの歌声が聞こえる。男体山に近づくと三年前の山火事で炭化した樹木が見られた。脚に疲労がたまり、木の根などにすぐ引っかけてしまう。昨年は山中で一緒だった神奈川から来た小野さん、今日は凄い。男体山山頂でもわずかの休憩で走り去って行った。昨年は何とか頑張って竜神峡の亀が淵にたどり着いたが、そのままリタイアとなった。あの遠足後、旦那様と二人で同じ道を歩いたという。今年は期するところがあったのであろう、ほとんど姿を見ることなく先に行ってしまった。篭岩から亀が淵方面への道は一度林道に下り、上山や大久保の集落を通る。今日はスタート後から千葉から来た須野原さんと一緒の歩きである。林道はゆっくりと歩いた。絵のような山村の集落風景の中、林道沿いにはフタリシズカ、ホタルブクロやウツギも咲き始めている。10時20分亀が淵に着いた。ここでもカジカガエルが鳴く。川沿いに造られた遊歩道を走ったり歩いたりした。途中バスできた団体に会った。沢山の人が遊歩道を歩いていた。新緑の観光シーズンである。すぐに竜神吊り橋下のチェックポイントに着いた。ここにはエイドが設けられている。カップヌードルがあり、ビールもある。ありがたかった。ここで今回の遠足参加者の遭難という情報が入った。山中で我々の少し先を歩いていた東京から参加した夫婦の奥さんが篭岩への登りで足を滑らせ滑落し、ケガの程度は解らないが車で病院に運んだとのことである。昨日今日と二日間共に頑張ってきた仲間で、大事に至らないことを願う。このエイドでしばらく休憩し再び走り始める。ここからは残りフルマラソンとほぼ同じ40kmの距離である。走ったり歩いたりしながら大宮に入った。ここで岡山から参加の女性石原さんとひげの高味さんに追い抜かれた。何とか二人に離されないようにと須野原さんと頑張った。スタートからちょうど13時間後の5時30分にナムチェバザールに着いた。今年も参加者のために気を配ってくれた御園生さん、本当に頭が下がります。ずーっと引っ張ってもらった須野原さん、私一人では頑張りきれなかったかもしれない。今年も良い思い出ができ良い友ができた。