太平洋に面する茨城県は、3つの気候帯が分布する。
海岸沿いの低地では、九州の海岸沿いから続く暖温帯常緑広葉樹林帯 (照葉樹林帯) 、暖温帯落葉広葉樹林帯、それに冷温帯落葉広葉樹林帯。
冷温帯落葉広葉樹林帯はブナ帯とも呼ばれる。
茨城県では、筑波山や県北の標高の高い山では、ブナやミズナラなどの生育が見られる。

北茨城市の最北端、福島県境の山中の定波地区のブナ林は県内最大面積。県内唯一のシラカバの群落もここに。手つかずのままの、学術保護参考林となっている。
芽吹き前の林床には、バイケイソウの緑が鮮やかです。緑が少ないこの時期、沢筋に成長するバイケイソウは、よく目立つ。
バイケイソウは、有毒植物だが、ギボウシやギョウジャニンニクなどの山菜に間違われ、誤食することの多い植物。
夏に高山帯を歩いて見かける大型の花がコバイケイソウで、この小さな植物がバイケイソウとは面白い。
  実生から発芽したばかりのブナ。
 双葉とも呼ばれる2枚の子葉を広げている。
 子葉が2枚あることから、双子葉植物と呼ばれる。
 葉の間にみられる赤っぽいものが、成長して本葉となる。 
道筋に、キクザキイチゲが咲いていた。   ツルキンバイ (蔓金梅) 。
 バラ科の植物で、よく似た花にミツバツチグリがある。
 葉の鋸歯や花弁の形などで、違いが分かる。
ウスバサイシン (薄葉細辛) 。
同じ仲間には、徳川家の御紋として知られる「三葉葵」のモデルとなった、フタバアオイなどがある。
 カタクリはたくさん見られる。
定 波
       北茨城市  (2016-04-02)