高萩市の景勝地、大北渓谷を流れる大北川、その上流に 「愛林記念の森」 がある。

ここには、明治から大正時代にかけて国策として植林されたスギ、ヒノキの人工林がある。
この当時植林された木は、戦後の木材需要の高まりにより、次々と伐採された。
このとき、植林に関わった地元の林業関係者でつくる愛林組合が、「山に寝泊りし、守り育てた森林の一部を記念として後世に残したい」 という思いが国に通じ、「愛林記念の森」 として保存されている。
             
「愛林記念の森」 に向かう途中、高萩市下君田にある曹洞宗松岩寺のヤマザクラ。 県指定文化財天然記念物で、案内板には樹齢約300年と書かれていた。
これほどの風格があるヤマザクラは、私はこれまで見たことがない。太い枝を四方に伸ばし、それを支えるための支柱が、取付けられている。
    お寺の松岩寺のすぐ先にあるのが神社の王塚神社。
    仏様 の先に神様が、祭られている。
    これまで大塚神社と呼ばれていたが、「王塚神社」と書かれ
    た棟札が見つかり、名前を改めたよう。
    階段を登ると、その先には2本のスギの巨樹が入口を塞ぐように
    立ちはだかり、その隙間を通り抜けた。
境内には、県指定天然記念物のモミやスギが生育している。      県北の山を、貫通するようにつくられた県道をしばらく走ると、突
    然現れた「愛林記念の森」の案内が、誇らしく感じられる。
森の中に入る。     森には清流が流れ、ミソサザイの囀りが長く続いた。
伐採されずに残された、美林が広がる。     適度に間伐された森には、陽の光が入り、潅木が茂り、林床に
    は多くの植物が生育していた。 
愛林記念の森
       高萩市  (2015-06-20)