滝の倉湿原は、茨城県北部に位置する湿地帯。
茨城県の絶滅危惧種や、危急種に指定されている植物も生育している。
このような湿生植物は脆弱な種が多く、環境の変化によってすぐに絶滅の危機に瀕する。
貴重な自然を、後世に引き継ぎましょう。
             
森の中をしばらく歩くと、樹冠がとぎれ、心地よい広い空間が現れ
る。
湿原には、貴重な植物を守るために、木道が整備されている。
    ノハナショウブは、この時期、アヤメ祭りなどの主役である花菖
    蒲の原種で、湿った草原などに生育する。
    もう何十年も前に、日立市内の山を歩いていて、草地の中に
    この花を見つけ、なんでこんなところにアヤメが咲いているのだ
    ろうと驚いたことがある。
    当時は、水郷潮来のアヤメ程度しか知らなかったので、この花
    は水場に生えているものだとばかり思っていた。
ミズチドリは、この湿原で多く見られた。
純白の小さな花を穂状にたくさんつけている。
花には芳香があるようだが、湿原の中で匂いをかぐことはできない。 
    最初に見たときにはワタスゲかなと思ったが、茎から複数
    の白い穂を出しているので、サギスゲ。
トキソウはラン科の植物で、野生のものは貴重な植物だが、今は栽培したものが、多く出回っている。
この湿原でも、個体数はわずか。
    花期は終わり、果実が見られるが、オレンジ色の花を咲かせ
    るレンゲツツジ。
    茨城県では、ここでしか見られないと思う。
滝の倉湿原
         (2015-06-20)