牛久沼は、小貝川支流に位置する沼で、全域が龍ヶ崎市になる。
河童伝説や水鳥の楽園、釣りの名所などとして知られ、日本人が大好きなうな丼は、牛久沼が発祥の地といわれている。
             
稲荷川は、ここで牛久沼と合流している。 三日月橋から見た稲荷川の下流方面。
この三日月橋から上流側の刈谷橋にかけて、ヘラブナ釣り優先のエリアとなっている。  
三日月橋からの左岸には、牛久市市営の観光アヤメ園が、つくられている。初夏の頃には、約200品種、1万本のアヤメなどが咲き、にぎわう。
9月のこの時期には、燃えるような真紅のヒガンバナが見事。
園内には、河童の像が置かれ、スイレン池もつくられている。    
稲荷川が牛久沼に流れ込む東の小高いところに雲魚亭 (うんぎょてい) がある。
雲魚亭は、小川芋銭 (おがわうせん) の晩年に建てられた、住まいを兼ねたアトリエで、小川芋銭記念館として一般に公開されている。
小川芋銭は、牛久沼の近くで過ごした日本画家で、農村の風物や水辺の生き物を好んで描き、特に河童を多く描いたことから、「河童の芋銭」として親しまれている。
河童の碑。この写真ではわかりにくいが、この石には河童の絵と、「誰識古人画龍心」の文字が刻まれている。
「だれかしるこじんがりゅうしん」と読み、「何故河童を描くのか」という問いに画伯が答えた言葉だそう。
牛久市観光協会のHPによると、言葉の意味は、「昔の人は龍を描いて宇宙大自然の偉大さを表現したように、芋銭は河童を描いて科学を超越した万物の根源である太陽系大自然の偉大な掟、即ち”道”の探求に生涯を捧げようと努力をしているが誰かこれを理解してくれる人がいるのであろうか?」と解釈するようだ。
また、小川芋銭と交流があったという作家は、「昔の人がどうして龍を描いたか。龍というのはこの世にはいない。しかし自然界の不思議さ、なぜ宇宙があって、太陽系に地球があって、その地球にはいろいろの生物がいるのか、どこからどのように生物が生まれたのか、考えれば考えるほど不思議だ。」と、解釈している。  
牛久沼とカッパの碑周辺の樹林
       牛久市  (2015-09-22)