玉沢稲荷神社の建立された集落から海岸へと続く道を下りると、砂防林の広がる海岸に出る。
地名は冷水(ひやみず)で、この辺りの海岸は冷水海岸と呼ばれている。
「茨城の自然100選」には、旭村と紹介されているが、現在は鉾田町、大洋村と合併して鉾田市となった。
茨城県内には、北茨城市から神栖市までの海岸線には、古くからクロマツが植栽された砂防林が点在する。
その中でも最も面積が広いのが鉾田市の海岸。
ここはかつて、荒地で飛砂がひどく、家が埋まってしまうこともあった。
このため、県が国有地の払い下げを受けて造林事業を行い、立派な砂防林に仕上げた。            
玉沢稲荷神社。
源頼義が奥州追討の際、ここで戦勝を祈願したという伝承をもつ神社。
  社殿は、鉾田市の指定文化財になっている。
境内には、樹齢800年とされるスダジイやタブノキの古木が、生育している。    海岸に出ると、砂防林が広がりる。
 
砂防林とは、飛砂防備保安林と言い、砂浜などから飛んでくる砂を防ぎ、隣接する田畑や住宅を守る働きをする。

また、保安林とは、水源のかん養や土砂の崩壊などの災害を防ぎ、生活環境の保全・形成等,特定の公共目的を達成するため,農林水産 大臣または都道府県知事によって指定される森林のこと。 
  風除けにつくられた垣根の中には、次世代のクロマツの幼樹が
  育っていた。 
砂浜から沖合いに向かって、なにやら見かけない構築物がある。   近寄ってみると、沖合いに向かい花崗岩の大きな石が、敷石
  のように置かれている。
ここに案内板が置かれている。
説明によると、この施設はヘッドランドと呼ばれるもので、「海岸の浸食を防ぐためにつくられた」と、書かれている。
海岸の砂の流出を防ぐために建設される人工の岬。 
  白砂青松とは言い難いもので、ごみが打ち上げられている。
  また、サーフィンや釣を楽しむ人も多く、砂防林周辺にはごみが
  捨てられていた。
   
 地元の人たちが清掃活動をしていますが、マナーを守らない人
 が多いようだ。
 楽しむだけではなく、自然を大切にしましょう。
   ハマニガナは、国内の海岸の砂地に生育している。
  花は、4月頃から10月まで、かなり長い期間見ることができる。
  栄養が乏しい海岸の砂地だが、長く横に張り巡らした地下茎
  から栄養を摂り、たくましく生きている。
旭村海岸と玉沢稲荷神社の森
        行方市  (2015-09-05)