花貫渓谷は、花園花貫県立自然公園に位置し、貴重な植物も多くみられる。
渓谷をつくる花貫川は、土岳や多賀山系の山を流域とし、太平洋に注ぐ二級河川。
花貫ダムから上流に向かうと広い駐車場があり、ここには不動滝がある。 名馬里ヶ淵 (なめりがふち) と呼ばれる花貫川の小さな淵。
ここには、「昔、この近くに住む人の飼うメス馬が、大蛇の子を産んだのではないかと驚き、村人たちがその子馬をこの淵に投げ込んだ、すると大洪水が起こり村は流されてなくなった」という伝説がある。 
 
渓谷に架かる汐見滝吊橋 (しおみだきつりばし)
この吊り橋を歩くと、両側から木々の枝がせり出し、身近に落葉広葉樹を感じることができる。
新緑や紅葉の季節には、鮮やかに彩られた四季折々の自然が見られる。
土岳の山頂付近の林は、シデ、ヤマザクラ、アカマツ、コナラなどの暖温帯植物に、ブナ、ミズナラなどの冷温帯の植物も混じる。
遠くには、太平洋も望める。
周辺には、花こう岩が露出している。
これは、地中深くで固まったマグマが花こう岩となり、それが隆起して現れた。
土岳の山頂。付近は、江戸時代には水戸徳川家の放牧場であり、今は広い芝生で覆われ、展望台も設置されている。 国の登録有形文化財の通称めがね橋。
この水路橋は、大正7年に花貫川から水力発電用の水を引くために造られ、今も使われている。
土岳と花貫渓谷
        高萩市  (2017-12-02)