会津駒ヶ岳 
 9月13日 : 田代山・帝釈山
 9月14日 : 会津駒ヶ岳

 9月13、14日と予定通り会津駒ヶ岳を歩いてきた.
 大型の台風が接近中という状況の中、現地の天侯が気になったが、会津檜枝岐地方の気象情報を確認し、大丈夫だろうという確信を得て日立を発った.それでも車中気になるのは天気のことばかり.日立を出るときの曇り空が途中小雨になり、福島県に入るとこの雨がやんで、空全体を覆っていた雲の間から時折青空が見えたりして、我々を喜ばせた.しかし会津に入り、国道から舗装のされていない長い林道を通り抜け、田代山登山口に着くころには、空は再び雲で覆われていた.それでも風がなく、またこういうときは晴天時には得られない味わいのある山歩きの楽しめるときでもある.

  濃い紫色のトリカブトの花が咲く登山道を登り始め、ガイドブックのコースタイム通り、2時間弱で田代山山頂から避難小屋の太子堂まで、時折小雨の降る中を歩いた.途中小田代という小さな湿原を通り、標高2000m近い山頂付近までに池塘の点在するこれだけの高層湿原に全員感嘆の声を上げた. 

  田代山山頂の標識から15分程の所にあり、弘法大師のまつられている避難小屋でもある太子堂で女性二人をおいて、男3人でここから1時間ほどの帝釈山をめざした.ぬかるみの続く眺望のきかない樹林帯を一度下ってまた登るコースは、晴れていれば山頂付近の展望も期待できるが、それでも田代山の大湿原だけで十分で、苦労して登る楽しみが感じられない、この日の帝釈山だった.

  田代山下山後、この日の宿である檜枝岐の民宿「やまね」に行き、部屋に入らずそのまま近くの共同浴場で山歩きの汗を流した.以前、秘境といわれ訪れる人の少なかったここ会津の山奥檜枝岐の清流や山並みを眼前に、夕暮れ迫る露天風呂に身を沈めたとき、今日の日の山歩きを思いだし、がんばった我が身に感謝しつつ、明日もがんばろうという気にさせるものだ.長い風呂(私だけが特に長く皆に迷惑をかけたが)からあがり、民宿での楽しい食事が始まった.この地ならではの大変珍しい料理に全員満腹で「おいしかった〜」.

 翌日6時過ぎに出発.会津駒ヶ岳をめざした.
  当初の予定では眺望のきくキリンテ登山口から登り、樹林帯の続く滝沢橋登山口に降りる予定だったが、当日の天候を考え十分な視界が得られないことであれば、民宿の近くの滝沢橋登山口から登り、同じ登山口に降りるコースを時間短縮になるという事で全員で決めた.
 途中の水場で岩の間からチョロチョロしみ出る非常に冷たくおいしい水を飲み、一同元気に山頂を目指した.
  
  ブナの原生林の中を通り抜け、色づき始めたナナカマドの実の下を歩き、駒ヶ岳山頂近くの駒ノ小屋に着いた.この付近は昨日の田代山と同じ高層湿原帯.ここから途中駒ヶ岳山頂に寄り、その後中門岳へと続く約1時間の道は大小さまざまな池塘と湿原が続き、7、8月の雪解け後の花の時期には大変見事なお花畑となるだろうと感じさせる.
 中門岳から駒ノ小屋に戻りここで昼食をとり、時折小雨にみまわれる中、再び同じ道を下山した.

 今回の田代山、そして会津駒ヶ岳は大変印象深く、参加者全員が今度は花の時期にまた訪れたいという気持ちで一致した.下山後、昨日と同じ共同浴場で汗を流し、楽しい思い出を胸に途中夕食をとり、午後9時過ぎに日立に着いた.