茨城のヤブ山歩き (No.42)  青麻山(394.9m)  

2万5千分の1地形図「上小瀬」 常陸大宮市 平成18年11月18日

  

旧美和村の東に位置する青麻山(あおそさん)に登る。地形図を見ると西から2本の道が山頂に通じており、いずれも沢道を辿り山頂近くで尾根に乗る。山頂には神社らしきものが書かれており、地元の人たちにとって信仰の山であるようだ。


  国道118号線を北上し、山方で県道29号常陸太田烏山線に乗る。下桧沢地区で緒川に架かる山下橋を渡り、すぐに右折する。登山道は山頂から派生する尾根の間の沢道となる。車をゆっくりと走らせながら右手の沢を探すが、すぐに見つけることができた。地図には書かれていない集落の生活道路を走り、沢の入り口で車を停める。車で先まで行けそうだが、ここから歩く。


  1128分歩き始める。沢沿いの道は、大きな曲折はなく、また地形上明確な確認地点は少ない。このため入り口で高度計を合わせる。道の両側には樹齢50年くらいのスギの人工林。よく手入れがされ、林床には下層植物が成長している。道は最近の雨でできたぬかるみにタイヤの跡が見られ、結構利用されているようだ。林業活動としての林道か、それとも神社へ続く参道のようなものなのだろうか。道路上に真新しい薬きょうが3個落ちていた。イノシシだろうか。心地よい沢の音と、時折聞こえる「チャッチャッ」とウグイスの地鳴きが静かな山歩きを楽しい気分にさせてくれる。道路には間伐したばかりのスギの玉切したものが積み重ねられ、すぐ脇を通るとスギの良い香りがした。この場所で道は大きく右に曲がるが、沢道を直進する細い道もある。ここは道なりに右に曲がったが、2つの道はすぐに合流した。やがて道は細くなり傾斜も急になる。車はここまで入ることができるが、この先は通行止めになっていた。山腹を切り開き造られた道で、路面に敷かれている砕石の様子からも比較的新しい道と思われる。前方に鳥居が見えると山頂である。     
   1210分山頂に着いた。トタン板の張られた素朴な青麻神社の社の近くに三等三角点が設けられている。南方面は展望が開け、東から栃木の山々、大宮方面、そして西に多賀山地が広がり、山々の間からは町並みや小さな集落が見える。


  この道は林業活動のための道路でもあり、神社へと続く道でもある。社の脇に置かれた石碑にはこの地に奥州青麻三光神社を勧請し、氏神として祀った。中風除け虫切守護に霊験あらたかであるというようなことが書かれていた。

青麻山登山口 青麻山神社の鳥居
青麻山神社 青麻山山頂