茨城のヤブ山歩き (No.27)  愛宕山(245.3m)  

2万5千分の1地形図「大子」 久慈郡大子町 平成17年1月9日

愛宕山と名のつく山は県内でも知る限りで5山、全国ではそれこそ何十とある。よく知られたところでは、京都にあり比叡山と相対する山で、山頂に愛宕神社の総本社がある愛宕山、東京港区にあり日本最初のラジオ放送の電波を発信した愛宕山などがある。


 大子の市街地から県道160号梨野沢大子線に入り、時当地区を過ぎ左折すると愛宕山はもう目の前である。この先の道路は積雪が凍結しており、滑り止めのない車は進入することはできない。リンゴ畑の脇に車を止め、11時25分に歩き始める。右手に見える山頂を回り込むように、凍結した道路に注意をしながら取り付き口を探す。棚田になっている田んぼでは雪の上から刈り取られた稲株がのぞく。寒いと思ったら雪が舞い始めた。最初の民家を過ぎると道路から枝道が山側に見え、ここへ入ると馬糞らしきものがつまれているだけで道はない。前方笹藪の中にわずかに人の踏み入った痕跡が見られ、この尾根から入ることにした。急な斜面は落葉で滑り、笹をつかんでロープ代わりに登る。すぐに最初のピークに着いた。地形図には現れていない小ピークである。下には集落が見える。ここから東に見える愛宕山と思われるピークに向かって尾根沿いに歩く。


  12時1分三等三角点の設置された山頂に着いた。周囲10mくらいの山頂はアカマツの立ち枯れや倒木が目立つ。周囲はヒノキの二次林で展望はない。静寂の中にもホーホーと鳴き声が聞こえる。フクロウとは違うようだし、アオバズクは夏鳥だから、この時期は暖かい国に渡っていることだろう。立木に愛宕山と書かれた黄色い板が取り付けられている。周辺の雑木は萌芽更新跡のはっきり残る美しい二次林で、灌木はヤマツツジやネジキが多く見られる。春先は広葉樹の新緑と共に山を彩ることであろう。この山は愛宕山という名から考えると、この地での山の神などを祭った山岳信仰の山かなと考えていたが、山頂には祠などそれらしいものはなく、倒木の重なった荒れた山であった。

愛宕山 愛宕山取付口
愛宕山山頂

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