茨城のヤブ山歩き(No.136)  御殿山(469.5m)  

2万5千分の1地形図「高萩」 北茨城市 平成25年05月18日

高萩市の花貫ダム北部に位置する御殿山を歩く。

いつもの山歩きのごとく、登り口はどこにするか、どのルートを歩くか、自宅で地形図をながめる。

地形図を見ると「関根前川」と書かれた川沿いに林道が走り、金成地区手前で道が分岐している。左に曲がると金成、右は林業のための林道だろう。どちらの道も沢沿いの道であり、その先は行き止まりとなっている。この分岐は右に曲がろう。その後は、林道を終点近くまで車で走り、御殿山に続く尾根に乗るか。もう一つは、分岐を右に曲がるとすぐに左に山道を示す点線が書かれている。沢沿いのこの道をしばらく歩くと、御殿山に続く主稜線に乗る。稜線に乗れば山頂まではすぐだろう。だがなぜこんなところに山道がつくられているのだろうか。登山のための道とは考えられない。いずれにしろ主稜線まで沢道を歩くか、途中、登りやすい尾根があればここから登ろう。

 

分岐を右に曲がるとすぐに道跡らしきものを確認、その入口付近に車を停める。

1014分、杉の人工林の中を歩く。

林床には下草が密生しているが、かつては作業道として使われたことがあるのかもしれない。すぐに沢の出合いとなる。ここは石の上をぴょんぴょんと渡り、もう一方の沢に入るが、増水しているとこの渡渉は難しいだろう。
道は人工林の中の荒れた沢道を歩く。時々かすかな踏み跡が現れる。沢の水量は少なくなってきた。歩きやすいところを探し、沢を何度か渡り返す。
林内ではミソサザイが全身を震わせながら、大きな声で囀る。
ここは地形図では点線で書かれた山道を示しているが、とても道といえるようなものではなく、荒れた沢となっている。

ここであらかじめ考えていた尾根を登ることに決めた。
手入れのされていないスギの人工林の急斜面を登る。

1056分急斜面を登りきると傾斜がぐっとゆるくなり、同時に針葉樹の人工林から落葉広葉樹の美しい林になる。ヤマガラが盛んに囀る。かすかに踏み跡も現れてきた。この稜線の先が御殿山だろう。


   11
13分、尾根道には大きな岩が露出し、傾斜も増した。地形図には岩のがけが書かれている場所のようだ。傾斜はすぐにゆるくなった。足元を見ると、石をくりぬいた人工物が置かれている。石祠だろうか、神社などに置かれ、参拝する人が手を清める手水舎(ちょうずや)のようにも見える。それにしてもなぜこのようなものが、尾根上に置かれているのだろうか。ここも信仰の山なのだろうか。

背丈に満たないスズタケがびっしりと密生し、そこを掻き分けながら歩く。

 

1124分山頂に着いた。三等三角点が設置された山頂は、アカマツの多い針広混交林で、東方面わずかに太平洋が望めるが、ほとんど展望はない。

 
ここから入る 沢を渡る
稜線 石祠? 手水舎? それともなんだろう
 
スズタケの密生  御殿山山頂