茨城のヤブ山歩き (No.44)  権現山(284.2m)  

2万5千分の1地形図「上小瀬」 常陸大宮市 平成18年12月24日

  旧緒川村の権現山に登る。栃木県茂木町との県境近くに位置するこの山は、地形図に山名は記されていないが、地元では権現山と呼ばれている。権現山という呼称から信仰の山であり、おそらく土地の人たちによって古くから登られているだろう、当然道はあるはずだと考えた。地形図を見ると道は書かれていないが、山頂を囲む道路から100m、場所によっては50mほど登れば山頂に至る。道路を走りながら道を探すか、わからなければ沢でも尾根でも取り付けやすそうなところから登ろう。

 

国道293号を走り、旧緒川村で烏山方面へ左折、小舟地区で県道39号笠間緒川線に入る。途中に風車弥七の墓なるものがあり、ここに立ち寄った。ここの案内板には「風車の弥七は『松之草村小八兵衛』という実在した忍者で元は盗賊であった者がモデルになっており、その墓がここである。」と書かれていた。

油河内(ゆごうど)地区で県道164号長倉小舟線に入るとすぐに、石段と「権現山見晴らし台ハイキングコース」と書かれた案内板を見つけた。案内板には「権現山は八里隧道跡の県道より登山道が完成し、頂上に富士権現の祠があり、春秋のハイキングに最適の地である」と書かれていた。1996年発行の手持ちの道路地図では、油河内と隣接する入本郷の境界に八里トンネルと書かれているので、比較的最近までここにはトンネルがあったのだろう。

 

道路わきの駐車スペースに車を置き、150分歩き始める。よく整備された急な階段を登る。両側はスギの人工林。小さな沢沿いに作られた階段は左に曲がり、すぐに尾根に乗り階段は終わり、道は小ピークの左を巻く。落葉樹とアカマツの落ち葉を踏みしめながら歩くと、再び階段となり158分山頂に着いた。登り始めてからわずか8分の登山である。
 山頂はスギの木1本を残し、伐採されている。このスギの木を御神木としているのだろうか、木の根元には小さな祠が置かれている。登山口の案内板に書かれていた「富士権現の祠」というのは霊峰富士山の信仰で「富士浅間神社」をこの地に分霊したものであろうか。

 

  山頂には三等三角点が設けられ、展望台が作られており、そこからは茨城と栃木の山また山で360度の展望が得られる。

風車の弥七の墓 弥七の墓案内板
権現山登山口 入口案内板
権現山案内板 権現山山頂