茨城のヤブ山歩き (No.48)  御前山(193.2m)  

2万5千分の1地形図「野口」 常陸大宮市 平成19年4月1日

常陸大宮市の御前山はカタクリで知られた山だが、御前山とはどこを指すのか、地元の人もよくわからない山である。恐らく特定のピークではなく、山域を示しているのだろう。市のホームページを見ると、御前山は標高186mと書かれているが、地形図にはこの標高を示すピークはない。地形図には御前山156mとだけ書かれている。花でも探しながらぶらぶら歩いてみようと考え家を出た。


  西登山口から113分歩き始める。「関東ふれあいの道」に指定されている沢沿いの道を歩く。植生はカシ類の常緑広葉樹の極相林となり、樹齢が100年前後のスギの古木もたくさん見える。沢を上り詰めると鞍部に道標が立てられ、左に「青少年旅行村」、右に「那珂川大橋」「東登山口」、後ろに今登ってきた「西登山口」と書かれている。「那珂川大橋」方面に進む。穏やかな天気で、気持ちよい森林浴。豊かな植生とヤマガラ、シジュウカラ、ウグイスなどの野鳥の鳴き声。
すぐに「御前山風景林案内図」と書かれた案内板がある。茨城森林管理署が立てたもので、ここに御前山が書かれていた。193.2mと細かな標高まで書かれており、計測しているのだろう。この辺では一番高い標高だ。森林管理署が書いているので、これを御前山のピークと考えてよいだろうと考え、案内板に書かれた略図と地形図を見比べ、ピークを特定する。ここは青少年旅行村へ向かう尾根上のピークである。
林内は常緑広葉樹の高木層の樹冠に遮られて、林床には木漏れ日が入り込む程度で、夏は涼しいだろう。


  1139分山頂。ここにも案内板があり、「御前山県立自然公園」と書かれ、環境庁・茨城県と書かれた文字の下に「御前山」と書かれた木札が付けられていた。地形図を見るとここには三角点はもちろん水準点や標石も設けられていない。しかし、案内図の下には三角点らしきものが見える。

三角まで判読できるがその下は読み取れない。これは国土地理院が設置したものではなく、地方自治体でも設置したものであろう。いずれにしろ193.2mと細かく測定されているところを見ると、これを使って標高を観測したのであろうか。


  ピーク付近はアラカシなどが成長した二次林となって周囲の展望はない。

御前山が書かれた案内板 御前山山頂
山頂の案内板 山頂の三角点