茨城のヤブ山歩き(No.145)  羽黒山(490.8m)  

2万5千分の1地形図「町屋」 日立市 平成25年07月21日

日立市民の憩いの場として知られるかみね公園からは、神峰山や高鈴山方面へのハイキングコースが整備され、羽黒山はこのコース上に存在する山だ。

かみね公園から日立清掃センター脇を通り過ぎると、駐車場が現れる。この駐車場からは鞍掛山に登る道がつくられ、道路を横切り向こう側に渡れば、羽黒山方面への道となる。

 

956分、道路を横切り、「神峰山・羽黒山ハイキングコース案内」と書かれた案内板を通り過ぎると、コンクリート製の木道となり、いきなりの急登で息が上がる。

そこを登ると山道らしくなり、傾斜はゆるくなる。右手にはフェンスが現れ、大きなごみ処理場が見える。しばらく起伏の少ない道を歩くと、道の両側をヒサカキが覆うヒサカキのトンネルとなり、しばらく続く。

ヒサカキはツバキ科の植物で、かって日立鉱山が煙害対策として調べた樹木のなかで、もっとも耐煙性の強い植物の一つであり、サカキが手に入りにくい関東地方以北ではサカキの代用として、花屋さんなどで売られている。


  ヒサカキのトンネルを抜けると、わずかに水が流れる沢が現れた。水量はわずかだが、いつ歩いても枯れることはなく、以前はこの沢の水を飲んだ。

ここを過ぎると、沢道は両斜面の木が伐採された明るい道となり、上空には高圧線が通る。

再び短いヒサカキのトンネルを抜けると「大煙突展望台」と書かれた道標が現れる。

この少し先に地形図にも書かれた「蛇塚」と呼ばれる石碑がある。ここに建てられた案内板の内容を要約すれば「昔、この辺に大蛇がすんでおり、村人に危害を加えた。これを近くに住む武士が大蛇を成敗した。村人は喜ぶとともに、たたりを恐れて大蛇の死がいをここに埋め、石碑を建て供養した」というようなことが書かれている。


 その先には斜面の両側にリョウブ、林床にはミヤコザサが茂る道となる。ここからもヒサカキのトンネルは何度か現れるが、開けた場所に出ると、遠くに高鈴山の電波塔群が見え、少し先で道は二手に分かれる。左の道は尾根道、右の道は巻き道で、すぐに道は合流する。ここを過ぎると鉾が置かれた分岐に出る。ここではかっては北方面にスギの人工林が広がる山だったが、今は広く伐採され、はげ山となっている。この分岐を右に向かうと小木津山自然公園で左が羽黒山方面。ここからはひと登りで山頂に着く。


  1119分、三等三角点の設置された山頂に着く。周囲は落葉樹が茂り、展望はない。

 
ここから登る ヒサカキのトンネル
リョウブの道
 
大煙突  羽黒山山頂