茨城のヤブ山歩き(No.106)  東堂山(429.9m)  

2万5千分の1地形図「町屋」  日立市 平成24年5月13日

  活動的に山歩きを続けている山仲間から教えて頂いた日立北部の「東堂山」を歩いてきた。

 地形図を見ると三角点の置かれたピークには神社を示す記号が書かれている。地図に道は示されていないが、地域信仰の山と考えられるこの山には、山頂までのしっかりとした道があるはずだ。
地形図には山頂の南側を東西に山道が書かれ、いくつかの尾根が山頂から派生している。この山道を歩き、山頂に通じる道を探そう。

 県道36号日立山方線から広域農道「グリーンふるさとライン」に入り、「奥日立きららの里」北側の笹目地区で車を停める。
地図に書かれた道に入るが、すぐに道は不明瞭となりヤブになった。
このため神社道を探そうと、歩き始めた地点に戻る。

 車を停めた道路を北に向かうと右手に林道が現れた。入口は通行止になっており車は入れないが、ここから林道に入る。新緑が美しい。
道の両側に多くみられるミミガタテンナンショウは花が終わりマムシグサに変わっている。
この林道上に、神社へ通じる道はあるか。
等高線に沿うように作られた林道は、高圧線が頭上を通る沢に入ると山頂に一番近くなり、この先は山頂から遠ざかってしまう。この辺で歩きやすい場所を探し、林道から離れよう。

 10時44分。傾斜がきつく滑りそうだが、比較的歩きやすそうな斜面を登る。手入れの行き届いていないヒノキの人工林で林床植物はなく、土が露出し薄暗い斜面を上に向かうが、すぐ尾根に乗った。
尾根は落葉樹の里山林となり、林が明るくなった。すぐに高圧線の鉄塔下に入る。この鉄塔をくぐると山頂だろう。

 ピーク付近は城を守る土塁のように土盛りされている。明らかに人工的なもので、中心の檜の木の周りには2つの石碑が倒れている。「明治13年辰年。東堂山」と彫られている。入口には社の基礎と思えるような花崗岩の石が見られる。
地形図に書かれている神社は過去には存在していたのだろう。しかし、今は詣でる人もなく、その形跡は朽ちることのない石碑だけとなった。

 三角点を探して土盛りの外に出ると、立木に「東堂山」と書かれた「SHCカワスミ」の木札が取り付けられていた。

 土盛りの中にあった石碑に書かれていた「東堂山」は当時参拝されたこの山を示すものかはわからない。国土地理院が示すこの三角点の基準点名は「国木原」となっている。
この朽ち果てた神社跡を見て、この「東堂山」は何者か、なぜこの神社が朽ち果てたのか、知りたいと思いつつ、この山を後にした。

 
山頂の木札 神社跡?
石碑 石碑には東堂山と書かれている
 
帰り道   ここに出た