茨城のヤブ山歩き (No.33)  井戸沢山(373.8m)  

2万5千分の1地形図「常陸大沢」 久慈郡大子町 平成18年1月15日

大子町の井戸沢山に登る。国道118号を北上、奥久慈男体山の登山口となる西金を過ぎ、頃藤地区で左折し、県道32号大子美和線に入る。井戸沢山は地形図で見ると山頂に通じる道が2ヶ所ある。大沢地区から入るその名の示す通り沢道を歩き尾根に入る道と、水貫地区から入りすぐに尾根歩きとなるコースの2つである。後者の尾根道を選ぶ。

水貫地区近くに来ると、右手に井戸沢林道と書かれた道が現れた。地形図を見るがこの道は書かれていない。舗装はされていないが軽トラックのような車は通れる道で、しかも最近出来た道ではない。なぜこのような道が書かれてないのか。地形図にはこういうことがけっこうある。井戸沢林道というからには井戸沢山近くまで道が通じているのだろうと考え、林道入口に車を止める。沢沿いの道はしっかりしており、軽トラックでは入ることができる。

11時25分歩き始める。はっきりとした道なので地図を見ることもなく歩く。少し歩くと道は二手に分かれた。左手は斜面をトラバースし、右手は沢道である。細かく地図を確認しなかったため現在地の特定はむずかしいが、いずれにせよ前方北に井戸沢山かそれにつながる尾根道があるはずだと考え右手の沢道を選ぶ。しかしその道はすぐに荒れ始め、倒木などで道は不明瞭になり引き返し左手の道に進む。斜面に作られた道を右に左にと曲がり、やがて道はなくなった。上を見上げるとスギの人工林の先に広葉樹林が広がる。スギ林に分け入り、広葉樹林を登り切ると東西に伸びる尾根道に乗った。地図を確認し、右手に進む。進行方向左手はヒノキの人工林、右手にコナラやシデの広葉樹。尾根道にブナの殻斗がたくさん落ちていた。見上げると地衣類が着生し、綺麗な地肌の見慣れたブナの木がある。昨年はたくさんの実をつけたのだろう。アカネズミやリスなど貯食動物の食料になる。林床にはイワウチワが見られる。最後の急な斜面を登りきるとピークとなるが、三等三角点の設けられた井戸沢山山頂はここよりも少し右手に進んだところで高さも数メートル低い所にある。

12時18分山頂着。山頂東斜面はヒノキ、西斜面は広葉樹で落葉した木々の間、大子から栃木県へと続く峰峰の稜線が見える。ヒノキの1本に井戸沢山と書かれた板が取り付けられていた。上空にはジェット機、下には水郡線を走る電車の音が聞こえる。

前方井戸沢林道に入る 井戸沢山山頂