茨城のヤブ山歩き (No.28)  稲荷山(461m)  

2万5千分の1地形図「大子」 久慈郡大子町 平成17年5月21日

大子町の中心部に近い稲荷山は地形図で見ると、山頂から北に明確な主尾根を伸ばし、久慈川の支流である押川近くの集落に達している。この尾根の西に稲荷沢があり、沢沿いに林道が通じているようだ。この林道に車を止め、尾根に取り付こうと考えた。

国道118号を走り、久慈川を渡り馬頭方面に行く国道461号線に乗る。5分ほど走り、左折し田んぼの間の道を通り林道へ通じる道に入る。ここには八龍神社と書かれた寛政2年建立の古い神社があり、ここの駐車場に車を止めさせてもらう。

 9時50分歩き始める。少しの間舗装された林道歩きとなる。左手に田植えを終えたばかりの田んぼから、蛙の鳴き声が聞こえる。最高の天気に恵まれ、道筋にはウマノアシガタ、オドリコソウ、クサノオウ、クワガタソウやミヤマハコベ、フタリシズカも見られ、ウグイスやホオジロが鳴く。歩き始めて15分ほどで舗装道路は終わり、開けた場所に出た。ここで地図を確認する。ここからほぼ真南に稲荷山がある。進行方向左側に山頂に続く尾根があるが、針葉樹が生い茂り、取り付きがわかりにくくなっている。それよりも沢沿いに歩き適当なところで尾根に取り付こうと考えた。沢沿いの道はかっては林業に利用されたのであろうか、轍の跡が見られるが、今は灌木が道をふさぐ。すぐに地図の通り右手の稲荷川が伏流水となって左手に進路を変える。10時40分林道の終点と思われるところに着いた。このままこの沢を行けば稲荷山と離れてしまう。ここでこれまでの沢から離れ左方向の小さな沢に入る。沢沿いには平行して尾根が見える。やがて尾根上に鞍部が現れ、ここで沢から離れた。ホウ葉やスギの葉が敷き詰められたふかふかの斜面を歩く。ここでモミジガサとウコギ発見。山菜を採りながらも、すぐに尾根にでる。周囲は新緑の美しいコナラ、シデ類、カエデ類やヤマザクラなどで、照葉樹は見られず全てが落葉広葉樹の美林であり、林床植物も豊富に見られる。急登の支尾根からすぐに主尾根に入り、11時36分山頂に着いた。山頂には稲荷山と書かれた鉄板が立木に取付けられ、三等三角点が設置されているが、ヒノキの人工林に囲まれ周囲の展望はない。

人工林の中の林道 稲荷山山頂

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