茨城のヤブ山歩き (No.15)  花瓶山 (692m)  

2万5千分の1地形図「町付」 久慈郡大子町 平成15年11月22日

地形図を見ると花瓶山からは南北に伸びる県境尾根と東の小田貝沢に向かい、いくつかの尾根が派生している。この小田貝沢沿いには家が何軒かあるようだ。この沢沿いの道を歩きながら登り口を探そうと考えた。

国道118号線で大子を過ぎ、県道28号大子那須線に入り八溝山方面に向かう。久慈川の支流である八溝川沿いの道路を走り、上野宮に入り小田貝から左折し小田貝沢沿いの道に入る。家が数件点在しているが今は廃屋となっている家も見られる。沢沿いの道に入り約2.7km走ると家がぽつんとあった。道の脇には多少の駐車スペースがあり車を止めた。ここから沢向こう西の方向に見える山の尾根に乗れば花瓶山に通じる。道の脇に古びた標識が見られ、「花瓶山自然環境」と書かれているのがかろうじて読みとることができる。標識の示す方向には踏み跡らしきものが見られ、川向こうには立て看板が見える。ここから歩いてみよう。立て看板には「花瓶山自然環境保全地域」と書かれていた。

昼過ぎの1時50分歩き始める。小さな沢を渡り杉林に入り、再び沢沿いの道を歩く。すぐに斜面の木が切り開かれた山が現れた。この斜面には植林後間もない杉の幼樹が植えられている。植林のために中腹に造られた狭い道を上に登る。2時15分尾根に乗った。ここから北西に進めば県境尾根と合流するはずだ。ここも植林されるのであろう、広葉樹が切られ小さな木々が斜面をふさいでいる。林床にはイワウチワが沢山見られたが、樹冠の下を好む野草であり、樹木を切り倒され遮るものもないこの斜面で生育できるのだろうか。2時30分県境尾根と合流。北側には落葉した広葉樹林の間から八溝山そして右側に高笹山へと続く長い稜線が見える。ここは八溝山の全容が見られる一番展望の良いところかも知れない。南側はヒノキの植林。少しの間、落葉が進んだ高木の連なる素晴らしい樹林の尾根歩きとなった。「平成15年度植樹祭」と書かれている記念碑の建てられた広い斜面に出た。ボランティアの人達によって植樹されたものだろう。ここには車が通れる林道が整備されており、栃木方面から通じているのだろう。新しい道なので当然地形図には書かれていない。

花瓶山山頂を示すものは地形図には書かれていないが、地図から読むこの付近の最高点は690mと思われる。周囲を見回して一番標高の高そうな所を歩くがそこはヤブの中である。花瓶山を示すものが何かあるはずだと考え、地形図に書かれた692mの標高点を探して北西方面に尾根を歩く。そこは最高点から北西方向に約500m付近の所にあった。背丈より伸びた笹藪をかき分け、尾根を外さずに歩くと花瓶山と書かれた山頂があった。2時50分山頂着。

花瓶山入口 花瓶山山頂

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