茨城のヤブ山歩き (No.89)  閑居山(227m)  

2万5千分の1地形図「柿岡」  かすみがうら市 平成23年7月6日

かすみがうら市には、山と渓谷社の分県登山ガイド「茨城県の山」に書かれている閑居山(かんきょさん)がある。この山の中腹には県指定文化財の百体磨崖仏(ひゃくたいまがいぶつ)と呼ばれ、岩の壁面に彫られたおよそ百体の仏像があるということで知られている。しかし、地形図には山名は書かれていないばかりか、山のピークさえはっきりしない。三角点のある権現山(99.5m)から浅間山(344.6m)へ続く稜線上にあり、南東方面に派生する大きな尾根の発生点が227mの閑居山と考えてよいのだろう。                               
  閑居山は、その昔は志筑山(しづくさん)と呼ばれていたようだ。この山のふもとには、弘法大師が開山したと伝えられる志筑山惣持院願成寺があり、弘法大師が中腹の洞穴に閑居した(すみかとした)ことから閑居山といわれるようになったとのこと。しかし、この寺は廃寺となったようで現存しない。

かすみがうら市上志筑(しづく)地区に車を停め、尾根道を歩き権現山に行き、1145分権現山から閑居山に向かう。よく歩かれているようで、道はしっかりしている。植生はヒノキの人工林の中に照葉樹のシラカシなどが混じる。ヒノキの人工林は樹齢十数年程度の林には、枝打ち、間伐などの保育がされておらず、林内は薄暗い。トレイルランのトレーニングだろうか、男女二人が脇を駆け抜けて行った。こういう姿を見ると走りたくなる。ここは標高150m前後の、適度なアップダウンのある樹林の中で、日差しはさえぎられ、堆積した落ち葉のクッションがよく効いている。この地でのトレイルランニングは心地よさそうだ。

1158分、分岐が現れ、地形図で確認する。左折する道が「浅間山(せんげんやま)」方面で、道なりに直進すると山を降りて半田方面の集落に出る。ここは浅間山方面に向かうが、124分再び分岐が現れた。ここも標識の「浅間山」方面の道に向かう。1219分、左折する道が現れた。地形図には書かれていないが、案内板では左に「谷津入り口方面」、直進が「青木葉峠方面」と書かれている。「谷津入り口方面」は現在地から派生する大きな尾根の下る方向である。木の枝に赤いビニールテープがぶら下がっているだけだが、ここが標高227mの閑居山と思われる。

 
 
権現山から閑居山に向かう 2つ目の分岐を左に
登山道 227mピーク付近