茨城のヤブ山歩き (No.63)  富士山(183.2m)  

2万5千分の1地形図「羽黒」 笠間市 平成21年01月17日

 笠間市の富士山に登る。富士山と名のつく山は全国には300座以上あり、茨城県には10座以上、そのうち笠間市には3つの富士山がある。一つは旧友部町にある富士山(ふじやま)(128.1m)。二つ目は、地形図に山名は書かれていないが、山と渓谷社発行の分県登山ガイド「茨城県の山」で紹介されている山で、佐白山近くのツツジ園で知られた富士山(144m)、そして今回歩いた富士山である。地形図を見るとこの山には南北から道が通じており、いずれも明確な尾根歩きでわかりやすそうだ。今回は国道からのアクセスが近い北からの道を歩いてみよう。

 

国道50号線を走り、笠間市街を過ぎ、稲田駅前から関戸地区に入り、すぐに南に細い道を分ける。田んぼ道から水戸線踏切を過ぎ、適当な駐車スペースを見つけ、車を止める。

 

1047分、歩き出す。青空が広がり、風もなく穏やかな日で、気持ちのよい山歩きとなりそうだ。進行方向右側には田んぼ、左側には家が点在する。さすがに笠間は花崗岩の産地らしく、石材の加工場が多く、建物の前には石材が積まれている。地形図を確認し、石材工場脇から民家の前を通り、取り付く尾根を探す。少しの間、斜面につくられた沢沿いの道を歩くが、やがてアズマネザサに道をふさがれる。ここから尾根を探すべく左の山に分け入る。前方ヤブの中でガサガサと音がするのでなんだろうと思っていたら、目の前に美しい羽を蓄えた雄のキジが現れた。                                    

ササの斜面を掻き分けながら登る。地図では、前方すぐに尾根上の小ピークがあるはずだ。この尾根を辿れば、富士山に行き着く。このため前方の小ピークがわかれば踏み跡があるだろうと考えた。しかしササで覆われたピークは思いのほか広く、この先ピークを外れた斜面にかすかな踏みあとが現れた。ここからこの踏みあとをたどり山頂を目指す。この道は尾根沿いの道ではあるが、明らかに尾根をはずしている。こういう地形図の間違いは茨城の山を歩いていると結構多い。道はヒノキの人工林が続く。相変わらずアズマネザサが繁茂している。枝打ちや間伐など人工林の手入れがされてないため、林内には光が入らず、林床植物が豊かではない。踏み跡の傾斜が変わる。落ち葉が堆積しやや急な斜面は滑りやすい。この斜面を登ると山頂となる。

 

1122分、富士山山頂に着いた。山頂には三等三角点が設置され、「富士山」と書かれたプラスチックの札がヒノキの立ち木に取り付けられている。この札には標高と共に、「富士山認定協会」と書かれていた。周囲はヒノキの人工林に囲まれ、その間にネジキやヒサカキが数本見えるが、植生は豊かではなく、展望は一切ない。

 
ここから山道に入る このような道を歩く
踏み跡がはっきりしない道 富士山山頂