里美観光協会のガイドブックに書かれた萱山に登る。地形図を見ると標高420mをわずかに超える二つのピークが双二峰のように東西に分かれ、この左側に位置する三角点のある山が萱山だ。二つのピークからは四方に尾根が広がり、どこからでも登れそうだ。
県道60号十王里美線を走り、萱山ピークから南に派生している尾根付近に車を停め、11時20分歩き出す。
舗装道路を東に向かうとすぐに広い沢道が現れ、道の先に軽トラックが停められている。イノシシ猟かもしれないと考え、この沢道には入らず先に進むと、尾根方面に向かう道がある。この道に導かれて歩くと斜面を横切り、沢に入ると踏み跡はなくなった。手入れの行き届いていないスギの人工林で、潅木はほとんど生育しておらず、林床にはスギの枯葉が堆積している。このため見通しが利き、歩きやすい。左右に尾根が派生しており、二つの尾根はどちらでも萱山のピーク方面に至る。ここは左側の尾根に向かい、11時29分に尾根に乗る。
地図で確認するとこの尾根を登ると二つのピークの鞍部に至り、ここから左のピークが萱山となる。尾根にはスギの枝や葉が分厚く堆積して、前夜来の雨で湿ってふかふかし、すべることはなく歩きやすい。途中にアスナロの幼樹を見た。これまで県内の山中では見た記憶がない。周囲を見回したがアスナロの成木は見当たらなかった。山頂方面の鞍部に乗る少し手前で、作業用林道らしき道が横切る。この道から萱山方面である左のピークに向かうが、この道はモミジイチゴが道をさえぎり、これを踏みしめながら歩く。鞍部を過ぎると尾根はすごいヤブになった。2m以上のアズマネザサがびっしり生育して、その中を掻き分けて登る。
11時57分、三等三角点の設置された萱山ピークに着いた。山頂周辺はアズマネザサで展望は一切ない
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