茨城のヤブ山歩き(No.109)  高所山(614m)  

2万5千分の1地形図「竪破山」  常陸太田市 平成24年5月19日

高所山は合併前の里美村(現常陸太田市)ガイドマップに書かれていた山であるが、必ずしも今回のピークが高所山と特定できるものではない。地形図を見ると、ここに三角点はなく、写真測量による標高点が示されている。

国道461号線折橋地区で林道に入る。しばらく林道を走ると道が二手に分かれるが、この先どちらの道も通行止めとなっている。

右手は抜倒作業中立ち入り禁止となっている。上空青空が広がって、綿毛がたくさん舞っている。何の種だろうか。

今日は暑くなりそうだ。しばらく沢沿いの林道を歩く。心地よい沢音と新緑の美しさ。沢道に多いつやのある葉のコクサギやホウノキも葉を大きく展開している。草木を眺めながらの歩きで、一歩進んで二歩下がるの状態でなかなか進まない。

少しだが山菜のお土産をいただく。

林道も終わりに近い所で道から離れ、尾根に乗る。ここからは西に向かい、610mの等高線上で北に向きを変えるとすぐに山頂だろう。

進行方向尾根の左側は手入れのされていないヒノキの人工林で、薄暗く林床植物は一切ない。逆に尾根の右側は広葉樹の二次林。林内は明るく、林床には多くの植物が生育しており、尾根を挟んだ北と南は典型的な二つの植生となっている。

前方に大きな石が現れた。回り込んでみると花崗岩の石は、日立市十王町の地元ではよく知られた竪破山の太刀割石のミニ版である。注意してみるとこの付近の山は花崗岩でできた山のようだ。

1230分高所山山頂と思われるピークに着いた。ここには三角点や標石はなく、山頂を示すものは一切ない。落葉広葉樹に囲まれて展望はないが、ゆったりとしたピークには日の光が十分入り入り、気持ちよい。終わりに近いヤマツツジの赤が緑の中にさえる。山頂にはコナラではなく冷温帯落葉広葉樹林を代表するミズナラがたくさん見られ、茨城の植生の豊かさを感じさせる。

 
通行止めの2本の道の左に入る 林道歩きから尾根に入る
尾根道 なぞの巨石
 
 花崗岩の節理による割れ 隣の石は二つに割れて倒れていた 
 
ヤブに入る  高所山山頂