茨城のヤブ山歩き (No.59)  国見山(391.8m)  

2万5千分の1地形図「中飯」 城里町 平成20年4月12日

  城里町と笠間市の境界に近い国見山に登る。地形図を見ると山頂には南北から道が通じている。今回は南からの道を歩いてみよう。

笠間市北部の山間部をつなぐ広域農道を走り、笠間湖脇から箱田地区に入り、集落奥の家の前で道はなくなる。家の人に断り、農道脇のわずかな駐車スペースに車を置かせてもらう。

  129分歩き始める。しばらくは田んぼ脇の農道らしき道を歩く。脇にはきれいな用水路が流れている。まもなくこの水が田んぼに引かれ、田植えとなるのだろう。オオイヌノフグリ、ヒメオドリコソウ、タンポポ、ナズナ、イヌナズナ、そして草地にはツクシがたくさん出ている。山道に入ると、クサイチゴ、キジムシロ、ツボスミレ、タチツボスミレ、ニオイタチツボスミレなどなど。しばらく沢沿いの道を歩く。タチツボスミレがいたるところに咲き、その上を歩くようなことも。道はしっかりした道で、わずかにわだちらしきものが見える。以前は林業用に使われていたのだろう。今は四輪駆動の車高が高い車だったら走れるかもしれない。この道は地図には書かれていない。少しの間、沢音を聞きながら歩く。やたらに多いタチツボスミレをよく見ると、見慣れたタチツボスミレとは少し違う。距が大きく長く、葉に光沢がある。このスミレは日本海側に多く、県内では珍しいナガハシスミレだ。以前に大子の山を歩いて見たことあるが、これほど大量の珍しいナガハシスミレに出会うのは驚きだ。

 1243分、国見山を巻くように歩いてきた道がピークに達した。ここから先、道は下りとなる。ここに茶店(ちゃみせ)でもあれば、峠の茶屋ということになるのだろうが、茶店ではなく、青い屋根の小屋がある。作業用に作られたのだろう。入口に薪が積んであり、今でも使われているのだろうか。この北側が国見山山頂となる。尾根に上がるには急斜面で、潅木が生い茂っているため登れそうな場所を探す。小屋から少し先、急斜面に赤土が露出している場所がある。細い立ち木にビニールテープが巻かれており、ここから尾根に登れそうだ。草木を手がかりに滑る斜面を登ると、すぐに尾根道となった。

  1250分、国見山山頂に着いた。三等三角点が設置され、立ち木に木札で国見山と書かれている。周囲はアズマネザサが繁茂し、手入れがされず薄暗いヒノキの植林で展望は得られない。

登山口となる農道 長い距が特徴のナガハシスミレ
作業小屋 左手斜面を登る
尾根への登り口 国見山山頂