茨城のヤブ山歩き (No.3)  国見山 (291.6m) 

2万5千分の1地形図「町屋」   常陸太田市 平成14年5月2日

   今回は常陸太田市のほぼ中央に位置する国見山を歩いた。地形図を見ると国見山へ向かう道はほぼ四方から発生している。東側国道349号脇からの道は集落があり、取り付く道がわかりにくそうだ。南側は道路から登山道が延びている。注意深く地形を確認すれば取り付き点は見つかりそうだ。

   車は国道349号線から別れ、徳川光圀の墓など徳川家の墓所のある瑞竜山方面へ向かう。
墓所入口から田園風景の広がる道、それから山間部に通じる道へ入り、すぐに「国見山登山口」と書かれた標識と、駐車スペース1台分のある場所に着いた。この標識は注意しないと見逃してしまう。車を降りて山側に向かい、国見山方面にコンパスを合わせるが、そこは沢沿いに登る道で明確な踏み跡はない。また左側には斜面を巻くように比較的新しいはっきりとした道が造られている。地形図を見ると国見山に通じる道は一本で、はじめは沢沿いに歩きすぐに尾根に乗り右手に小ピークを巻くように登ることになる。左の道は右の道と比べると急な斜面で、檜の樹林の中で林業のための道と思える。地形図の道をコンパスで確認し、不明確な道を直進する。すぐに道はわからなくなり、低木樹林の中少しの間ヤブこぎ、その後小ピークから林道らしき道に出る。林業用の車両が通ったのであろうか轍が残されていた。この轍に草が生えここしばらくこの道は利用されていないようだ。時折深い笹ヤブの間に作られた道を進むが、心細い道にコンパスで山頂方面に合わせ道を確認しつつ歩く。途中登山口方面と山頂を示す標識があり安心する。

   12時50分山頂着。山頂は低木の松、檜が疎らに生え、林床には雑木が育ち、明るいヤブという感じだが周囲の展望はゼロ。「SHCカワスミ 国見山291m」と書かれた小さな板が松の木に針金で取り付けられており、三等三角点があった。ほとんど起伏を感じさせない緩やかな山頂は、三角点がなければここがピークであることを見逃してしまいそうだ。山頂からは北へ向かい、小さな峰を縦走しながら歩くのもおもしろそうだが、今日は来たときと同じ道をたどった。帰路はワラビをとりながらのんびりと歩いた。途中、園芸種と見間違うほどの立派な「キンラン」が咲いていた。  帰りは林道を歩き続けると、最初の登山口で左手斜面を巻くように造られていた道に出た。
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国見山山頂(02年5月2日撮影) 国見山山頂(06年4月19日撮影)