茨城のヤブ山歩き (No.60)  鍬柄山(274.5m)  

2万5千分の1地形図「羽黒」 笠間市 平成20年5月18日

笠間市の鍬柄山(くわがらやま)に登る。地形図を見るとこの付近の山には採石場があちこちに見られる。稲田白御影石(いなだしろみかげいし)とよばれる花崗岩の採石場だ。

国道50号線を走り、笠間市稲田で県道289号富谷稲田線に入り、しばらく走ると鏡ケ池とよばれる小さな池がある。案内板によると、ここは霞ヶ浦に注ぐ桜川の水源地と書かれている。

116分、鏡ケ池脇の駐車スペースに車を止め、舗装された道路を歩き始める。地図では鍬柄山の西に鍬柄峠と書かれた場所がある。ここから山に入ろうと考えた。道路のピーク付近から右手の山に分け入る踏み跡が見られ、ここから入る。ヒノキの樹林で斜面につくられた踏み跡を頼りに歩くと、高圧線の鉄塔の下に着いた。回りは広葉樹林で新緑がきれいだ。ここから再び踏み跡を辿る。土砂の採掘跡だろうか、大きく開けた場所に着いた。赤土が露出し、先駆植物のオオバヤシャブシが繁茂している。ここでは野鳥のさえずりがあちらこちらから聞こえる。フジの花も咲き始めた。前方には採石のため山肌を大きく削り取られた採石場が数ヶ所見られる。ここから先は樹林帯の斜面に入る。踏み跡が現れたり、なくなったり、ヤブを漕いだりの道となる。倒木が多く、ササが生い茂る中を尾根を探しつつ歩く。ふと頭上を見ると電線が張られており、電柱も見える。何のための電線だろうか。それをたどりながら歩くとすぐに小さなピークに立った。

1156分山頂に着いた。周囲は灌木に覆われ、展望はない。立ち枯れた木に「鍬柄山」と書かれた木札が2枚取付けられている。三角点が見当たらず、周囲を探す。山頂から少し下ったところに「NHK水戸・笠間テレビ中継放送所」と書かれたアンテナ施設がある。ここから東方面には明確な道が確認でき、この道を来ればヤブ漕ぎをしなくてもすむかも知れない。三角点を探し山頂付近を捜すが見当たらない。山頂のすぐ北側は大きく崩れ、境界のくいが崖のぎりぎりのところに打たれている。がけ崩れで三角点は一緒に落ちたのだろうか。

   自宅に戻り国土地理院の最新の地形図を確認した。なんと三角点の記載がなくなっていた。国土地理院によると三角点は停止(亡失)となっており、やはりがけ崩れで三角点を失ったのだろうか。

 今回の山行では眼鏡を忘れ、読図が十分ではなく、時々地図を見てもどこを歩いているのか、判断に迷うところが多かった。やはり常に現在地を確認しながらの山行が必要だろう。

 
鏡ヶ池 採石場跡? 左側の斜面を歩く
鍬柄山山頂 山頂の北側崩壊部