茨城のヤブ山歩き(No.163) 真弓山(305m) |
2万5千分の1地形図「常陸太田」 日立市、常陸太田市 平成26年05月03日、07月12日 |
真弓山は県北の山である東金砂山、西金砂山、竪破山、花園山とともに、山岳信仰でつながる常陸五山の一つとされる山である。
しかし、この真弓山のピークはどこか、いまひとつはっきりしない。
調べてみると、真弓山とされる山は、真弓神社が建立されている約270m、次に真弓神社の東に位置し、日立市と常陸太田市の市境界上にあり、周辺で最も高い約300m、そして真弓神社から北西に位置し、三角点の設置された279.8mであろうか。
この3ヶ所を歩いてみる。
5月3日、風神山(かぜのかみやま)
の駐車場に車を停める。
また、ここは真弓山や高鈴山方面へのハイキングの起点でもある。
このあたりは3億年前の古生代石炭紀の寒水石と呼ばれる大理石を産出する。
風神山から40分ほどの歩きで、真弓神社入口に着いた。 林道から真弓神社方面に向かうと、すぐに地形図で約300mの等高線を示すピークに行き着く。
このあと西方面の真弓神社に向かう。 神社の建立されている地形は、先ほどの300mのピークから派生する尾根上の、標高約270mの小ピークだ。
7月12日、真弓神社から北西方向に位置し、三角点の設置された標高279.8mに向かう。
地形図を見ると、三角点から下方向に等高線に沿って林道がつくられている。
常陸太田市高貫町の集落の奥に「滝沢」と書かれたバス停があり、ここに車を停めて歩く。
舗装された林道を歩くとすぐに、道は施錠されたゲートで、「国有林の林道専門で通行禁止」と書かれ、車は通行止めとなる。
ゲートの脇をすり抜け林道に入る。舗装はされていないがしっかりした道で、荒れてはいない。
沢沿いの道を30分ほど歩くと道は二手に分かれ、右方向のぐるっとUターンするような道に進む。
分岐から10分ほど歩き、地形図を見て適当な場所から尾根に乗る。
周囲は放置されたヒノキの人工林の中にヒサカキが混じり、展望は一切無い。
下記は真弓山の山情報が記載された資料。
○ 1988年発行、日立市発行「日立の植物(日立の自然シリーズ第1集)」
「真弓山は海抜約280mで、日立市と常陸太田市との市境界から西に張り出した尾根の一部で、山頂(陣ヶ峰)に真弓神社がある」。
○ 1989年発行、すでに絶版となっている茨城新聞社発行の「茨城の山と渓谷」では真弓山は三角点のピークで279.8m。
○ 1995年発行、帝国書院「わたしたちの茨城県・日立市の地図」 279.8m 小学校教材。
○ 1996年発行、山と渓谷社「分県登山ガイド茨城県の山」真弓山280mは山頂の神社と書かれている。
○ 2006年版、茨城県観光協会 「ガイドマップいばらき」日立と大田との市町村界に真弓山280mと書かれる。
○ 常陸太田市産業部 「つながる常陸太田ガイドブック 旅人の地図南部編」で真弓山280mとなっている。
○ 常陸太田市真弓町会 真弓山ハイキングコース案内板で陣ヶ峰約300mとなっている。
○ 2014年に改訂された日立市観光協会「高鈴県立自然公園ハイキングコースMAP」に、真弓神社より東に約10分の距離にある小ピーク305mが真弓山と書かれている。
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風神山自然公園 | 左が真弓神社、右が高鈴山方面 |
標高約300mの小ピーク | 標高約270mの真弓神社 |
滝沢バス停 | 林道ゲート |
林道から尾根に向かう | 三等三角点の279.8mピーク |