茨城のヤブ山歩き (No.39)  南山(511.6m)  

2万5千分の1地形図「常陸大沢」 久慈郡大子町 平成18年5月4日

大子町の南西に位置する南山に登る。山頂へは南北からいくつかの道が通じているようで、北からは山頂近くまで林道らしき道が確認できる。南からは2ケ所の道が山頂に向かっており、歩く距離は多少長くなるが、道路を走りながらわかりやすい道から入ろうと考えた。

 国道118号を走り、大子町頃藤地区で県道32号大子美和線に入り、栃原地区西平バス停近くの道路脇に車を止め、10時43分歩き始める。沢沿いの道がしばらく続く。道はしっかりしており、乗用車でも入ることができる。風もなく穏やかな日で、心地よい瀬音と、路傍に咲く花がこれからの野山歩きを楽しい気分にさせてくれる。山の斜面には保育の行き届いた樹齢50〜60年くらいのスギ林で、林床に光が入り灌木が茂る。沢沿いの道に多いコクサギの花が新緑と共に咲き出した。ニリンソウ、ホウチャクソウ、それにフタバアオイも見られる。樹木はカエデの仲間であるチドリノキの幼樹が目につく。この時期は草木が気になり足が進まない。山腹には黄色いヤマブキ、道にはムラサキケマン、ミヤマハコベ、カキドオシが咲く。しばらく歩くと開かれた場所に出て道は二手に分かれた。ここには「君ガトヤ国有林」と書かれた案内板がある。二手の道は下草が茂り、倒木で道はふさがれる。どちらの道も地形図には書かれているが古い作業道のようで、人が楽に歩けるような道ではない。地図を見て右手の道を歩くが、徐々に沢は小さくなり道は怪しくなった。道をふさぐモミジイチゴのトゲを気にしながら歩く。ミヤマキケマンが咲き、ヤマトリカブトも秋には咲くだろう。すぐに沢は不明瞭となり、前方は見上げるほどの急斜面となり、灌木が茂り登る気は失せた。地図を見ると、南山山頂からは南に尾根が派生している。この尾根に取り付けそうな場所を探そうと来た道を戻る。先ほどの「君トガヤ国有林」の場所でわずかな踏み跡があり、ここから入る。山腹につけられた道を上に向かうとすぐに尾根に出た。明瞭な踏み跡のある道を北に向かい、少し開かれた場所に出るとそこには小さな社がおかれていた。ここは国土地理院の地図検索で調べると三等三角点御岳山と書かれており、地元の人たちにとって信仰の山なのであろうか。すぐ上の山頂には1時17分着。ここには立木には南山と書かれた札が取り付けられていた。山頂部だけ落葉樹だが、葉が成長したこの時期、周囲の展望はほとんどない。

帰り道にはお土産としてコゴミ、モミジガサ、コシアブラを頂いてきた。

分岐点 南山山頂