茨城のヤブ山歩き (No.23)  妙見山 (652.5m)  

2万5千分の1地形図「里美牧場」 久慈郡里美村 平成16年5月22日

  里美牧場の南西に位置する妙見山に登る。地形図を見ると山頂から北にやせた尾根が沢に下りていて、沢沿いには里美牧場に通じる道が走っている。山間部を走る狭い道だが目標となる地点がはっきりしているので、この尾根を探すのは容易だろうと考えた。

里美から高萩の山間部に通じる県道245号上君田小妻線に入る。目標地点近くになると道路脇にガードレールが現れ、人工林の林は薄暗くて中に入る気になれず、別なルートを探すことにして再び地形図を広げた。妙見山の南側の沢沿いに細い道が記されている。この道を歩きながら山頂に通じる尾根を探そう。道路を走っていると、「持ち出し禁止、天然記念物を大切にしましょう」と書かれた立て看板が見られた。ここには妙見山リチウム・ペグマタイトという珍しい岩石が見られるので、これを勝手に採掘し持ち出さないようにと書かれている。この看板の先、スギの人工林の中に道が見える。この道は地形図には書かれていないがもうこの上は妙見山であるから、ここから歩いてみよう。

2時28分歩き始める。すぐにペグマタイトと見られる岩石の露出した場所に着いた。周囲をフェンスが張り巡らされている。この先はわずかな踏み跡がいくつか枝分かれしていたがすぐに無くなってしまった。樹相は針葉樹から広葉樹林に変わっていた。もうここを直登しようと考え尾根を探し歩いたが、急斜面のヤブとなり強引にヤブに突っ込む。林床にはミヤコザサが密生し、灌木が道をふさぎ歩きにくい。ガスが林内を覆い始め、いつしか小雨が降り出し、ズボンはびしょびしょに濡れた。しかしそれもすぐに尾根に乗るとミヤコザサは無くなり、変わりに美しい新緑のミズナラが現れ、気持ちの良い歩きとなった。2時55分山頂に着いた。東側はヒノキ、西側は広葉樹林で周囲の展望はない。大きく成長したアカマツが数本見られる。帰りは山頂南側にあるはずの道に出られるよう、コンパスを合わせ、踏み跡のない尾根を辿り、3時14分道路に出た。

妙見山山頂 妙見山下山道

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