茨城のヤブ山歩き(No.115)  鍋転山(422.7m)  

2万5千分の1地形図「袋田」  大子町 平成24年8月20日

日本三大名瀑の一つ、袋田の滝から南に月居山、そこから男体山に至る縦走路の途中に鍋転山(なべころがしやま)がある。

国道461号線を西に向かい、月居トンネルを抜けると鍋転山へ向かう山道がある。地形図を見ると、国道から尾根に乗り、急斜面につくられた九十九折の道を登り、月居山から男体山に続く稜線に合流する。この道を南下すると、すぐに鍋転山に着くはずだ。

1027分、道路わきに車を停め、少しの間舗装道路を歩く。1030分、尾根方面から道を探すが、周りは草が茂りヤブ状態になっている。そこから見当を付け尾根に向かうとわずかに踏み跡が確認でき、この道を登る。くもの巣が顔に張り付く。尾根は傾斜を増す。かなりの急登だ。汗がどっと噴出す。ミンミンゼミの賑やかな鳴き声がより一層暑さをかきたてる。周囲は落葉広葉樹林でヤマザクラ、シデ、コナラなど。

1047分斜面が少しゆるくなり、やせ尾根となる。植生はダンコウバイやネジキそしてブナにも似たきれいな樹肌のタカノツメが多く見られる。

1051分、ごつごつとした大きな岩が現れた。これは海底火山の噴火により堆積した男体山火山角礫岩とよばれる、ごつごつとした岩石だ。ここを登ると一層傾斜はきつくなる。ぐんぐんと高度を稼ぐ。先ほどまで聞こえていた国道を通る車の音が今は聞こえなくなった。1059分、鞍部で小休止後、118分月居山からの分岐に出た。道標には左に月寄山、袋田の滝、右に男体山、そしてこれまで登ってきた方向が国道461号と書かれている。分岐には国道方面の道にトラロープが張られている。急斜面ややせ尾根などがあり、この道は歓迎されていないようだ。しかしここからの縦走路は心地よい登山道となった。これから男体山の方向に向かう。もうこの先は鍋転山だ。

1113分、鍋転山に着いた。サクラの幹に付けられた木札には後山、括弧して鍋転山と書かれている。後山とは国土地理院により、この三角点に付けられた基準点名だ。

開かれた山頂には、岩の上に置かれた「第一展望台」と彫られた石、そしてバス停のようなつくりの休憩所があり、「奥久慈自然休養林」と書かれた案内板がある。南西の方面には奥久慈の山並みが広がる

 
ここから入る 男体山火山角礫岩
国道方面のトラロープのある分岐 鍋転山山頂
 
山頂の木札  バス停のような休憩所