茨城のヤブ山歩き(No.137)  荷鞍山(445.7m)  

2万5千分の1地形図「大中宿」 常陸太田市 平成25年06月01日

常陸太田市の景勝地、竜神峡に架かる竜神大吊橋、その南西部に位置する荷鞍山を歩く。

地形図を見ると、この山には東側の常陸太田市から、軽車道として表された林道らしき道、そして西の常陸大宮市側からは徒歩道として表す点線の山道が書かれている。道は沢筋につけられ、急斜面の沢をつめて稜線に出る。稜線に出れば、ルーファンもさほどではないだろう。

今日は常陸大宮市側から歩いてみよう。

 

県道29号常陸太田烏山線から県道249号山方水府線を走り、諸沢地区から宝明に入る。

集落外れの道路脇に車を停め、104分に歩き始める。

 

少しの間、道は舗装されているが、すぐに舗装は切れる。前方の山にこれから入る沢が見える。

沢はスギの人工林の中で、きれいな水が流れているが、荒れているようだ。地形図に書かれているような道はなく、踏み跡さえ不明だ。

少し進むと「三太の山越えコース」と書かれて案内板がある。あらためて地形図を見ると道は沢に沿ってつけられている。「三太の山越えコース」は沢から外れ、尾根に向かうように見える。どちらに進むか迷ったが、地形図に書かれた沢道を進む。

 

沢はだいぶ荒れてきた。倒木が折り重なって倒れ先をふさぐ。この沢を歩く気が失せ、この辺で尾根に取り付こうと考え周りを見る。手入れの行き届かない人工林は下草が少なく、急斜面は滑りそうで、躊躇させられる。この斜面を登り尾根に乗るか。ここは少し戻って先ほどの案内板の「三太の山越えコース」へ入ってみよう。

 

「山越えコース」はしっかりとした道が上に向かう。

1029分、尾根に出た。「三太の山越えコース」はこの先尾根には乗らず、横切り、下に向かっているようだ。「山越え」とは、この尾根を越えることなのだろう。

ここに案内板があり、尾根方向に「赤岩」と書かれている。

尾根に乗ると踏み跡がしっかりしてきた。やはり日本の山はどこに行っても尾根沿いには踏み跡がある。今は歩く人がなく、はっきりしない踏み跡もあるが、尾根は昔から歩かれているのだろう。

斜面が急になってきた。目の前に火山角礫岩の大きな岩が立ちふさがる。

 

この岩をまくように沢に入る。このまま沢を登るか。周囲を見回すと岩の方面に赤いビニールテープが目に付いた。

尾根は岩の上か。テープに引き寄せられ、岩をよじ登る。角礫岩のやせ尾根で両手足を使い登る。

11時ちょうど、稜線に出た。稜線は落葉樹の美林で、風が心地よい。この稜線を南に行くと荷鞍山、北がぼとく山方面だ。稜線は結構歩かれているのだろう。赤や白のビニールテープが立ち木につけられている。スギの人工林を過ぎると、林道らしき道に出た。キビタキ、ウグイス、ガビチョウ、ツツドリなどの囀りが静かな山中に響く。

山頂近くで再び尾根に乗り、1125分荷鞍山に着いた。三等三角点が設置され、荷鞍山と書かれた木札が立ち木に付けられている。周囲はコナラなどの落葉樹に囲まれ展望はほとんどない。

 
ここから歩く 荒れた沢
「三太の山越えコース」案内 尾根を登り、赤岩方面に
 
火山角礫岩  荷鞍山山頂