茨城のヤブ山歩き (No.1) 大室山 (427m)   

2万5千分の1地形図「町屋」   日立市  平成13年11月24日

   きららの里入り口を通り、御岩神社前を少し過ぎたところから山道に入る。平成4年に修正された2万5千分1地形図「町屋」では建設中の道路と示されているが、現在は立派な舗装道路となっている。林道らしき入口に大室国有林、水戸営林署の標識があり、車を止めてここから林道を歩き出す。背丈の低い広葉樹混じりの植林された檜の林道を10分ぐらい歩き、地形図から見当をつけ尾根に入る。ここにはテレビの共聴アンテナと書かれたタワーが建てられていた。樹木は間伐や枝払いのされていない背丈の低い檜が密集しており、植林されたままほとんど人の手入れがなされていない様子が伺える。光が届きにくいせいか林床にはヤブがない。人の踏み跡がない山林を上に向かって歩く。

  25分後ピークに着いた。周囲は低木の檜の樹林帯で展望は無し。山頂と思われるところに図根三角点/日立市と刻印された標識が埋められていた。そのすぐ近くでは墓のように土が盛られ、その上に小さな石祠が祭られていた。何か書かれているかと祠の周りを見回してみたが、古くて風化が進み文字は確認できなかった。この盛り土の周りは窪み、その周囲も円周状に土が盛られて17〜18本の山桜が植えられており、明らかに人の手による造形となっていた。北側には古く朽ちた2本の木が1.5m位の間隔で倒れかかり、その下にはやや太い棒が倒れていた。どうも鳥居のようだ。登りは尾根を歩いてきたが、下りは沢のコースをとる。沢といっても水が流れているわけではなく、地形図上の沢であり、実際の山はこういう低山では尾根と沢の見極めが難しい。薄暗い急斜面を下っていくと枯れた杉の葉が幾重にも重なり、ふかふかのクッションとなっていた。すぐに林道に出た。あとは林道入口まで10分くらいの歩きとなる。道路に戻り、道を少し行くと右に玉だれの滝、左に高鈴山ハイキングコースと書かれた標識があった。

  今回の山は往復1時間にも満たない山歩きであったが、昔の人の生活の跡が感じられた山であった。
 
  ガイドブックに紹介されていない茨城の山で地形図に山名の記載されている山は80座くらいある。これらの山を地形図とコンパスだけで歩いてみようという思いで始めたのが今回の山行である。それらの山をこの報告書で紹介してみようと考えており、今回がその1回目である。
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