茨城のヤブ山歩き (No.19)  三鈷室山 (870.6m)  

2万5千分の1地形図「磐城片貝・里美牧場」 久慈郡大子町 平成16年3月14日

 今回は県内で筑波山に次いで4番目に高い山である三鈷室山(さんこむろさん)に登る。福島県矢祭町との県境に近く、地図を見ると山頂付近まで林道が通じているようだ。県境は三鈷室山付近まで尾根上に設定されており、林道もこれにほぼ並行に設けられている。地形図では道路から里川宿手前に山道があり、林道に通じる。ここから県境沿いの尾根を歩き山頂に行けそうだ。 

国道349号線から里川沿いに県道22号線北茨城大子線に入る。ここは里美牧場に行く道でもある。三ツ目の集落を過ぎ里川宿に入ると、道路脇に三鈷室山ハイキングコースと書かれた新しい案内板が目に付いた。道路沿いに数台の車が置けるスペースがある。車を降りると、ちょうど三鈷室山へ登ってきたという人が来た。最近新聞で紹介されたという新聞の切り抜きを持って山を歩いてきたが、道標が多く迷うことはないと言う。里美村がハイキングコースとして整備したようだ。

10時15分歩き始める。小さな墓地前の道を直進し山に入る。沢沿いの道を歩き水音が心地よいがすぐに水音は聞こえなくなった。明らかに林業のための道だろうが四輪駆動車なら走れそうだ。両側は杉の人工林で、樹齢は50年を越えているだろうか、そろそろ主伐時期と思う。道は二手に分かれ道標があり、「山頂へ3038m」と書かれているが、示す指先がどちらへ向いているかわかりにくい。ここを右に進むとすぐにまた道標があった。ここには「山頂へ2826m」と書かれているが、距離計測用の一輪車でも使って測定したのであろうか、これほど細かい数字が書かれている道標は見たことがない。すぐ道は急登となる。テープがあちこちの樹木に巻かれている。11時43分林道に出た。ここにも道標があり「山頂まで2590m熊穴林道」と書かれている。 少しの間林道を歩くが「頂上へ1880m」の道標があり、ここで林道から再び山に入る。ここからは地図を見なくても幹や枝に付けられた白や赤のテープが道案内をしてくれる。三鈷室山に向かい左側は広葉樹林、右側は人工林の起伏の少ない快適な尾根歩きが続く。左側皆伐された禿げ山の上に裾野を大きく広げた八溝山が霞んで見える。間もなく「山頂まで100m」の道標。一帯の斜面は広葉樹が大きく伐採され芝生が植えられ、わずかながら残雪が見られる。12時20分山頂に着いた。大きく切り開かれた山頂にはNTT無線中継所と書かれた大きな建物の上に電波塔が建てられている。地形図ではここには三等三角点が示されている。三角点を探してフェンスを1周したが、建物の上に移設されたのであろうか見あたらなかった。周囲を見回すと南には里美牧場と風力発電の風車がすぐ目に付いた。その先に高萩、日立方面の山々が見えるが、その他の方角は立木に塞がれ展望は得られない。

登山道入口 三鈷室山山頂

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