茨城のヤブ山歩き(No.23)  妙見山(652.5m)  

2万5千分の1地形図「大中宿」  常陸太田市 平成23年12月24日

7年半ぶりの妙見山に登る。前回は久慈郡里美村の妙見山であったが、2004年に近隣市町村と合併し、妙見山の所在地は常陸太田市となった。


  今回の目的は山に登るよりも、全国でも珍しい貴重な鉱物の産出する場所を改めて見てみたいという思いからである。国内でも数ヶ所しかないというリチウムペグマタイトと呼ばれる火成岩の鉱床が妙見山の中腹に見られる。以前、妙見山に登ったときには、「こんなもんもあるのか」程度だったが、阿武隈高地など茨城の山のでき方に興味をもつようになり、もう一度見てみたいと考えていた。林道に車を停め、沢道を歩くとすぐにその場所に着いた。常陸太田市の天然記念物に指定された鉱床は、フェンスで囲まれ「持出禁止」と書かれた掲示板が立てられている。


  ここから山頂に向かう。尾根に乗るために斜面に取り付く。コナラやヤマザクラ、潅木の葉も落ちて冬枯れの尾根は見通しがよく、心地よい尾根歩き。ここからはとにかく上に向かって歩くと妙見山の山頂に行き着く。斜面が急になるとミヤコザサが現れ、松葉などが堆積して滑りやすい。山頂近くなると傾斜はゆるくなる。ここには明らかに人の手によると見られる土塁のような小規模な盛り土が見られる。山名からしても信仰の山のような名前で、昔はこの盛り土の真ん中に祠でも置かれていたのだろうか。


  1156分、妙見山山頂に着いた。三等三角点が設置され、周囲はアズマネザサが茂り、展望はほとんどない。東斜面はヒノキの人工林で、間伐されずに林内は薄暗くなっている。西側は雑木の二次林で明るく、その先には久慈山地の峰々が、落葉の進んだ木々の間から見える。

 
 
ここから登る 尾根
盛り土? 妙見山山頂
   
下山口