茨城のヤブ山歩き (No.8)  白木山 (616.3m)  

2万5千分の1地形図「大中宿」 久慈郡水府村 平成15年5月2日

常陸太田から県道常陸太田大子線を走る。ゴールデンウィークのこの時期だが、交通量も少なくここまですんなりと走行できた。竜神大吊り橋入口を通り過ぎ、まもなく武生山方面に左折し武生林道に入る。武生山脇を通り、すれ違う車もない林道沿いの新緑を眺めながらゆっくりと走った。しばらく走り持方の集落に入る。道路から北側に円錐形の裾野を広げる白木山が見えるはずだ。集落とはいえほんの数件の家が山間の斜面に点在する。最後の民家の前で右手に山頂が望める円錐形の山が見えた。あれが白木山だ。道路上に車を止めた。少し先にも車が止められ、登山の準備をしている3人組がいる。地形図で確認すると、このすこし先林道の終点から2本の登山道が、それぞれ北と東から男体山に通じている。東からの道は大円地越を経由して男体山に至る。彼等は男体山の登山者であろう。

1120分登山開始。林檎畑の脇を通る。農作業をしていたおばさんに「今日は」と挨拶。水府村と大子町の境界付近のこのあたりは奥久慈山中にあり、自然の静寂に包まれている。風が無く穏やかな日で、ウグイス、カワラヒワ、ヒバリのさえずりだけが聞こえる。前方の白木山は落葉樹の中にピンクや白のヤマザクラが見える。民家を通り過ぎ、ニリンソウやムラサキケマンが咲いている道から牧草地を歩く。ワラビがあちこちに出ている。すぐにヒノキの植林地に入り急斜面となる。手入れされていないようで林床には下草はないが、木は成長しており暗さはない。道は尾根沿いにかすかな踏み跡が確認できる。雑木林に入りそのまま急斜面が山頂まで続く。

1153分、標高617mで三等三角点の設置された山頂に着いた。コナラの木にハリガネで結ばれた札に「白木山」と書かれていた。雑木林はヤマザクラ、ヤマツツジ、モミジ、コナラ、リョウブなどで私の好きな明るい落葉樹林となっている。山頂部は伐採されており、北側は袋田方面の展望が良いが、遠くの山々は霞んでみられない。南東方面すぐ近くには木々の間から男体山が見える。山頂でゆっくりし、ヤマガラやアオバズクがさえずるなか登りと同じ道を下った。白木山の地図を見る

白木山登山口から白木山を望む 三等三角点のある白木山山頂 白木山山頂から男体山を望む

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