茨城のヤブ山歩き (No.40)  新田山(493.2m)  

2万5千分の1地形図「常陸大沢」 久慈郡大子町 平成18年10月22日

   栃木県那珂川町(旧馬頭町)との県境に位置する新田山(しんでんやま)に登る。地形図を見ると山頂への道は、茨城県側からは北と東から通じている。栃木県側からは山頂近くまで林道が通じ、最短で山頂に行き着きそうだ。茨城の北側から歩くか東側から歩くか地形図を見る。北側からは登山口となる道の近くには記念碑が記されており、車で走行中でもこの場所は楽に見つけることができそうだ。また大子の山々は八溝山や男体山などのメジャーな山はともかく、地形図に道が示されていてもほとんど歩く人のいない沢道は、登るにつれ道がなくなったり、潅木で覆われたり、倒木でふさがったりすることが多い。沢道を歩くことができなくなった場合でも、山頂から明瞭な尾根が派生しているので難なく取り付けそうだと考えた。

 大子の市街地から県道158号上金沢栃原線に入り、久慈川に流れ込む清流相川に沿うように造られた道路を走る。最後の集落を過ぎ、御神楽橋を渡るとすぐ道路脇に記念碑が現れ、ここに駐車スペースがあり車を停めた。

 1120分歩き始める。右手に人家が見えるが今は廃屋となっているようだ。道の両側はスギ、ヒノキの人工林で手入れはされていない。昔は作業用の車両が行き来したのであろうか、わずかにわだちの跡が確認できるが、今は草が覆っている。秋の花も終盤にさしかかり、少し前まであちこちに咲いていた野菊類が今日はわずかにノコンギクが見られる。アズマヤアザミや珍しいサラシナショウマの花も終わりに近いが、アケボノソウがたくさんのつぼみを付けていた。

  徐々に沢道は細くなり、藪が深く道が悪くなる。こまめに地形図を見ながら、道がなくなった場合取り付けそうな尾根を確認しながらその場所に目印の赤紐を付けて歩いた。最後の登りになると潅木や倒木が沢をふさぎここで来た道を戻り、山頂に至る沢に入る。先は背丈の高い草や潅木で覆われているが強引に分け入った。くもの巣が顔に張りつき、モミジイチゴのトゲが痛い。やがて先が怪しげになり、沢を離れ斜面に取り付き、滑りやすい赤土の斜面を登り尾根に乗る。

 1220分山頂に着いた。二等三角点が設けられ、周囲はヒノキの人工林で展望は得られない。栃木などの山岳会がつけたのであろうか、新田山と書かれた別々の木札が周囲の立ち木4ヶ所に付けられていた。この日はやさしい風が汗を拭い去り、心地よかった。

記念碑 県道から入る道
沢を分け入る(右が山頂尾根方面) 新田山山頂