茨城のヤブ山歩き(No.108)  高帽子山(387.9m)  

2万5千分の1地形図「町屋」  日立市 平成24年5月13日

日立市北東部の高帽子山を歩く。地形図では道路から山頂まで山道が書かれており、この道を歩こう。

県道36号線から県道60号線への山間部をつなぐ道に入り、呉坪方面に向かう。呉坪集落から先は道も細くなり、走る車もなく林道のような道となる。

1245分、道路上の狭いスペースに車を止め、高帽子山に向かう。地形図に書かれた道は見当たらず、山頂に通じる尾根を探す。ムラサキケマン、ツボスミレ、ツルカノコソウ、それに黄色い花のクサノオウが多く見られる。わずかな舗装道路歩きから検討をつけて沢道に入り、すぐに尾根に乗る。いきなりの急登で少し息切れがする。

尾根に乗るとかすかに踏み跡が現れ、これを辿る。植生はコナラやカエデ類の落葉広葉樹の美林で、低木にはヤマツツジの赤が美しい。この植生もすぐにスギの人工林となり、スギの葉が堆積し踏み跡はなくなった。地図には書かれていない作業道が現れた。すぐ先は山頂だろう。

112分ピーク目前にしていきなりのヤブになった。尾根は綺麗に切り払われ、そこに落葉樹が進出した。これを突破していく他ないだろう。しかしヤブに入ると猛烈なモミジイチゴの棘で、ここを歩く意欲を失った。少し戻って人工林の斜面から山頂を目指そう。斜面に入るとわずかに踏み跡が現れた。ここもヤブになっていたが、モミジイチゴがないだけでも良しとすべきだろう。

130分、山頂に着いた。ここは少しだけ切り開かれて三角点が設置されているが、山名を示すものは一切ない。東斜面は大きく切り開かれているが、南側はスギの人工林で、林床にはタマアジサイが多く茂っている。山の中ではガビチョウ、ヤマガラ、メジロ、シジュウカラなどの声に癒されたが、ヤブには閉口した。このヤブをTシャツ一枚で歩いたもので、腕にはひっかき傷だらけだった

 
この沢道から尾根に入る ヤブの中から現れた謎の人工物
山頂三角点