茨城のヤブ山歩き (No.14)  高戸山 (581.3m)  

2万5千分の1地形図「町付」 久慈郡大子町 平成15年9月14日

 今回のヤブ山は大子町と栃木県の黒羽町の県境に位置する高戸山を歩こうと考え、地形図を眺める。県境を示す線が県道を横切り尾根伝いに高戸山に続いており、この尾根から歩けそうだ。
日立から里美、猪鼻峠を通り国道118号線に入る。大子に入り久慈川にかかる橋を渡り国道461号から県道205号須賀川大子線にのり、県境にあるトンネル手前から旧道に入る。車を止め登り口を探すと山の斜面に馬頭観音が置かれ、踏み跡が見える。
  11時35分歩き始める。斜面に古い鳥居があり、昔は地方信仰の場であったことが伺える。林業に使われた道であろうか、今は使われず草が生えた道もあるが、すぐに道が無くなる。このため尾根を見失わないよう時折ヤブこぎをしながら歩く。山は手入れのされていないヒノキの小木。12時1分高圧線の鉄塔下に出るがこの高圧線は持ち歩いている地形図には記載されていない。あらためて地図を見ると昭和58年修正測量の地図で、鉄塔はこれ以降にできたものであろう。当然の事ながら最新の地形図を持つ必要を感じる。開けた鉄塔下から尾根に戻るとプラスチックの赤い杭が尾根上に点々と打ち込まれている。山頂近く手入れのされていないヒノキの樹冠は枝葉で覆われ林床には日光が差し込まず下草がない。今日は雲一つない快晴で木漏れ日が差し込むが、曇りの日は薄暗い林内であろう。12時20分山頂に着いた。山頂には三等三角点が置かれ、「高戸山 黒羽山の会」と書かれたブリキ板が樹木に取り付けられていた。周囲はヒノキの樹林で展望は無し。すぐ脇ここにも高圧線の鉄塔がある。帰りは同じ道を辿る。しかしちょっとした道間違いをした。登りと同じ尾根を歩いているつもりだったがすぐにおかしいと直感した。地図をコンパスで確認した。90度近く道が違っていた。こういう低山は支尾根が複雑で登りと下りで感覚がかなり違ってくることがある。十分承知していたつもりでもまたやってしまった。道を少し登り返し、コンパスで方向を合わせ歩いた。このあたりでは道を間違って歩いて下り口は多少違っても、必ず道に出られるが、奥深い高山帯では命取りになることもある。1時ちょうどに登山口に戻った。
 

旧道の登山口にある馬頭観音 三等三角点の置かれた高戸山山頂

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