茨城のヤブ山歩き (No.87)  高岩山(291m・317.3m)  

2万5千分の1地形図「烏山」  常陸大宮市 平成23年5月21日

常陸大宮市の西部に位置し、栃木県那須烏山市との境界に近い高岩山を歩く。地形図を見ると高岩山に三角点はないが、291mの標高点が書かれており、この東には林道が通じている。また、この標高点からわずか北、栃木県との県境上に317.3mの三角点があり、国土地理院の基準点を閲覧すると「高岩」と書かれている。ここも歩いてみよう。

県道12号那須烏山御前山線を走ると、「緒川十景 高岩山」と書かれた大きな案内板が目についた。ここが林道高岩沢線の入り口であり、高岩山登山口に向かう道なのだろう。数件の民家脇を通り抜けると道が二手に分かれており、この分岐にも案内板が建てられている。これには、「高岩山は水戸光圀公が参拝された霊山で、山全体が御神体となっています。山頂の巨岩には中宮として祠が祭られています」と書かれている。この案内板の下には「高岩山」と書かれ、矢印で方向が示されている。

この分岐に車を止め、1116分、歩き始める。周りは多くが広葉樹林で鮮やかな新緑を見せてくれる。この時期は草花や新緑に見とれてなかなか歩が進まない。野の花の写真を撮りながら歩く。右手に階段のつくられた登り口が分かれ、その方向にはしめ縄が張られている。ここが祠の祭られた山頂方面の道と考え、急な階段を登る

1129分、祠の祭られている場所に出た。ここが案内板に書かれた高岩山の山頂なのだろうが、ピークは赤い祠が背にする大きな岩の上だ。この岩が高岩山のいわれのようだ。祠の近くには、誰かが置いたのだろう、「高岩山317.3m」と書かれた木札が置かれている。この木札は本来、この先の317.3m三角点にあったものを、誰かが持ち出してここに置いたのだろう。この岩の後ろから回り込み、岩を登る。下りはピークから東の尾根を下る。127分、林道に出た。ここから317.3mの三角点ピーク取りつきまで、舗装された林道をしばらく歩く。メジロの心地よいさえずり、時折アオゲラの甲高い声が聞こえる。1224分、三角点ピークまでの最短距離を狙い、直下の沢に入るが、急斜面の沢はヤブが濃く、左手の尾根に乗る。

1233分、稜線に出るとすぐに山頂に着いた。ピークには三等三角点が設置されている。周囲はヒノキの人工林と広葉樹林に囲まれ、展望はない。

 
 
高岩山方面林道 左が登山口、右が林道
案内板 高岩山山頂
   
祠の近くに置かれた木札  三角点のある317.3mピーク