茨城のヤブ山歩き (No.22)  高峠山 (324.3m)  

2万5千分の1地形図「町付」 久慈郡大子町 平成16年4月17日

 今回の高峠山は地形図に道は書かれていない。この山はピークから四方に尾根が発生し、そこから支尾根が縦横に発生しており、複雑な山容を地形図から読みとれる。樹相は人工林と広葉樹林の針広混交林で、低山で深いヤブもないだろうし、周囲を道路と沢に囲まれているためどこから入っても地図を読めばまず迷うことはないだろう。地形図を見ながら、とりつきが分かりやすい東側の尾根を選んだ。

高峠山から東に県道196号が通り、磯釜地区を過ぎ、ここに岩石や土砂を切り取った切取部の地形が示されていて、ここが取り付き点の目標になる。ここを過ぎてから高峠山に繋がる尾根に乗ろうと考えた。山頂まで道路からの距離約1.2km標高差150mの山歩きである。八溝山に通じる県道28号から県道196号に右折し、約1.3km走り道路脇の狭いスペースに車を止める。

1時48分歩き始める。はっきりした道はないがどこでも歩ける感じで、目標を見失なわないようにコンパスを合わせ尾根を歩く。ヒノキとスギの人工林の中の歩きで展望はない。林床にはカヤ、シラカシの幼樹が見られた。カヤの幼樹がなぜこれほど多いのだろうと見ていたら、大きく成長したカヤの古木が数本見られた。ときおり広葉樹の混じる樹林帯の中、地形図で尾根を確認しながら歩く。

2時24分高峠山に着いた。三等三角点のみで山頂を示すものは何もない。北側斜面は伐採されており大神宮山やその先には八溝山であろうか長い裾野が見える。視点を下に移すと1軒の民家が見える。白やピンクのヤマザクラの花の中、雑木が芽生え始め、針葉樹に混じり広葉樹の明るい色が対比し、まるでキャンバスに描かれたような美しい里山風景を醸し出していた。

登山道入口 高峠山山頂

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