茨城のヤブ山歩き (No.46)  朝房山(344.7m)  

2万5千分の1地形図「上小瀬」 常陸大宮市 平成19年2月10日

旧山方町の陰陽神社近くの朝房山に登る。この山名は地形図に書かれてはいないが、国土地理院の三角点情報を閲覧すると、地点名に天神ケ岳と書かれており、古くはそう呼ばれていたのかも知れない。常陸大宮市役所に問い合わせると、周辺に赤木山林という国有林があり、ここから赤木山と呼ばれている。またこの山の南に朝房という地区があり、ここから山頂近くまで林道が通じ、このため現在では朝房山というのが一般的という返事を頂いた。地図を見ると山頂には無線中継所があり、ここには3ヶ所から道が通じている。距離は長くなるが尾根がはっきりした東側の道を選ぶ。


 国道
118号線から県道29号常陸太田烏山線に入り、陰陽神社手前の南皆沢(みなみかいざわ)公園駐車場に車を止める。


 1038分歩き始める。田畑の中に集落が点在する農山村風景の、舗装された生活道路を北に向かい、のんびりと歩く。道はT字路になり、ここで進路を西に変える。右手には樹齢15年くらいのスギの人口林。見事に手入れされていない。下枝が茂り、それが枯れて上のほうだけに緑がある。林内は見通せないほど暗く林床植物はまったく見られない。手入れしない人工林の教材みたいなものだ。そこを過ぎると林層が変わった。樹齢25年くらいの、すらっと通直に伸びたスギの美林となった。ここに案内板があり「間伐展示林、山方町」と書かれており、納得した。

 この先、道は2度ほど二手に分かれる。林業のための作業道であろうが、地図には書かれていない。ここは尾根方向の道を選ぶ。まもなくフェンスに囲まれた貯水タンクらしいものが現れた。タンクのすぐ右に道らしきものが見え、またその右にはっきりとした道がある。このはっきりとした道を行きたくなるが、この道は斜面に作られた道で、尾根には乗らない。ここはタンクのすぐ右側の下草が生える道を歩く。尾根道は明確な踏み跡がある。しばらく稜線を西に向かい歩く。進行方向右手にはヒノキの人工林、左側は落葉広葉樹やアカマツが混じる里山林で、尾根沿いにはアラカシやヒサカキなどの照葉樹が多く見られる。尾根道は急な登りはないが、ゆっくりと高度を上げる。


 1126分、NHKと民放共同のテレビ中継所の建物が現れた。ここは地上デジタル県域放送の電波を中継する施設のようだ。朝房山山頂はここを後ろに回りこみ約1分で着いた。山頂は三等三角点以外山頂を示すものはなく、周囲はアカマツ、ヒノキなどに囲まれて展望はない。

尾根取付にある貯水タンク 朝房山山頂