茨城のヤブ山歩き (No.84)  天平山(520m)  

2万5千分の1地形図「袋田」常陸太田市 平成22年12月19日

福島県矢祭町と常陸太田市里川との境界に近い天平山を歩く。この山も地形図に山名は書かれていないが、常陸太田市のガイドブックに記載されている山である。それでも大雑把な位置が分かるだけで、どのピークが天平山なのかわからない。三角点の書かれた山であろうと、おおよその見当をつけて541.9mのピークに2週間前に登った。しかし三角点付近は小潅木が茂り、なんの痕跡もないピークで、直感的にここは天平山ではないと感じ、山を降りた。

その後、常陸太田市の観光課に問い合わせた。その結果、「永戸の上の436と発電所脇541.9の間に等高線が頂上を示すところがあります。その山が天平山だと思われます」という回答をいただいた。
地形図を見ると、双耳峰のように小ピークが並ぶ山頂から尾根が派生し、道路に下っている。
この尾根かその脇の沢付近に道があるはずだ、と考えた。

   国道349から県道22号茨城大子線に入るとすぐに登山口となり、道路脇の駐車スペースに車を停める。尾根から登るか、沢から登るか、取り付きやすいところからと考えながら地形図を見る。二つの小ピーク間の鞍部から派生している沢に踏み跡があり、ここから山に入る。
数十メートル登ると電力会社の巡視路と書かれた表示くいがあり、左手の尾根方向に道が続く。尾根沿いの道はしっかりしているが、ほとんど歩く人はいないようで、一部にモミジイチゴなどが道をふさぐ。
道は尾根を外しトラバースとなり、少し進むがすぐに不明瞭になる。見上げると斜面上部には大きな岩がいくつか重なり不安定な感じで、ここで地震でも発生したらと考えると、急ぎ尾根道に戻り、急斜面を登った。
落ち葉が堆積し、滑りやすい。周りはコナラやシデ、ヤマザクラなどの二次林。   

   すぐにピークに着いた。天平山を示すものは何もないが、ここに間違いないだろう。周囲はヒノキの人工林に囲まれ、展望はない。標石らしいものが埋め込まれているが、地面から少し頭を出し、コケが付いており、なんの標石かは分からないが、ここには国土地理院の標石は設置されていない。ピーク付近に古いテレビアンテナのポールが放置されている。近くの永戸か納丸の集落だろうか。集落の人は標高の高いこの場所にテレビアンテナを設置し、家までケーブルを通したのだろう。

 
 
ここから登る 電力会社の表示くい
尾根のヤブ  天平山山頂