茨城のヤブ山歩き(No.110-1)  鷲子山(426.7m)  

2万5千分の1地形図「馬頭」  常陸大宮市 平成24年6月3日

今回歩いた栃木県との県境に位置する鷲子山は、ここが山頂だといえるピークは確定できない。

山と渓谷社の分県登山ガイド「茨城の山」に書かれている鷲子山は標高460mと書かれている。ここは神社の建てられている所で、地形図に標高は書かれていないが、等高線から読んだ標高だろう。栃木県の宇都宮ハイキングクラブ編の「栃木の山120」では鷲子山は468mと書かれている。ここは神社の少し北にある468mのピークだ。また鷲子山上神社(とりのこさんしょうじんじゃ)のホームページでは鷲子山は神社のある山頂で470m、このほか神社の南にある標高426.7mの三角点の基準点名に記載された鷲子山がある。ついでに言うと、国土地理院の地形図では標高463mの脇に鷲子山と書かれている。

 

1041分、常陸大宮市鳥居土(とりいど)地区から鷲子山神社に向かう道路脇に車を停めて、三角点の設置された426.7mの鷲子山に向かう。地形図を見るとピークには北側の道路から直接尾根が延びている。また反対側の東からも尾根が派生している。今回は東の尾根からピークを目指し、北の尾根を下り道路に出よう。

尾根に向かうとすぐに地図には現れない小さな沢が北から南に続いている。ヤブ状になっているがこの小さな沢には杉の間伐材でつくられた簡素な橋が架けられていた。この橋を渡りすぐに尾根に取り付こうとするが、ヤブのひどい斜面で分け入る気にはなれない。どこかに踏み跡があるはずだと考え、沢を西に向かう。この先踏み跡はあるがほとんど歩かれている様子はない。モミジイチゴなどの潅木や草本類がびっしりと生育している。それをかき分けながら歩く。沢道はすぐに二手に分かれるが、目的の尾根は右側だ。途中小さな沢を右に見るがやはりヤブがひどく入る気はしない。

 

116分、正面の沢は急斜面のヤブとなった。左右の尾根は左がピークへの主尾根でありここを登ろう。しかしヤブがひどく、少し戻り登りやすいところから尾根に乗ることにした。  

1113分、尾根に乗った。尾根に乗るとヤブの状態ではない。5分ほどで主尾根に乗った。尾根上や斜面には切り捨て間伐された杉が放置されている。国内産木材価格の低迷で間伐されない山が多く、間伐しても切り捨てとなる。山を歩く人間にとって迷惑なことで、時には尾根を外れ斜面を歩くことになる。しかし登山道のない道を歩く者にとっては致し方ないことだろう。

 

1131分鷲子山山頂に着いた。ピークでは三角点を探して歩き回ったが、少し低いところのアズマネザサの中に見つけた。周囲には三角点以外に山頂を示すものは何もなく、ヒノキの人工林に囲まれ展望はない。帰りは北へ向かう尾根を歩く。ここは踏み跡がしっかりしており、ヤブ状態でなく歩きやすく、わずかな時間で道路に出た

 
右の尾根が山頂に続く尾根 沢道はここで行き止まり
この斜面を登る 山頂三角点
 帰路の尾根 右の尾根から道路に出た