茨城のヤブ山歩き (No.82)  痩松山(816.0m)  

2万5千分の1地形図「里美牧場」 高萩市 平成22年11月14日

常陸太田市観光物産協会発行のガイドマップに、「痩松山(やせまつやま)」という山が書かれている。この山は県北の里美牧場付近に位置する山だが、行政区画は常陸太田市ではなく高萩市に入る。地形図に山名は書かれていない。また、すでに絶版となっているが、茨城新聞社発行の「ハイキング茨城」には「内ノ草牧場と痩松山」という見出しでこの山が紹介されている。1977年発行の「ハイキング茨城」を見ると、この山に登るには高萩の「内ノ草牧場」と「小里牧場」を登下山し、ワラビ、ゼンマイなどの山菜取りを楽しみながらの登山と紹介されている。

今回の痩松山は、旧里美村から里美牧場に入り、併設された交流施設「プラトーさとみ」から歩く。地図で確認すると駐車場所の標高は800mを少し超えるが、痩松山のピークは816mで、登山口?から山頂までの標高差は10m前後であろう。距離は直線距離にすると300mにも満たない距離で、散歩というのにも気恥ずかしい山歩きである。

プラトー里美に配置された7基ある風車群の1基の風車のタワーのすぐ脇に車を停めた。風車のすぐ真下で、羽根が回転し風を切る音がよく聞こえる。                     

1247分、停めた車の脇から潅木を分け入って山に入る。すぐにヒノキの人工林になり、混交林となる。下草はなく、林床には落ち葉が堆積している。起伏が少なく、尾根と沢の区別がつけにくい、こんもりとした地形で、山頂方面にコンパスを合わせる。

 

1256分、ほんの10分足らずの歩きで痩松山山頂に着いた。二等三角点が設置された山頂には、立ち木に瘠松山と書かれた木札が取り付けられている。ゆったりとした山頂で、三角点がなければここが瘠松山山頂であることが分からない。この辺は開発のため何度も伐採を繰り替えさているのだろう、ヒノキの混じる針広混交林の二次林で周囲の展望はない。            

   帰りは地図を見ないで歩いていたら、軽いリングワンデリング状態に陥ってしまった。こんな場所で方向感覚を失うとは情けない話だが、それだけ何の変哲もない、山歩きというより、丘歩きだった。

 
 
プラトーさとみの風車 ここから分け入る
 
山頂に向かう  山頂に向かう
   
痩松山山頂  山頂の案内札