茨城のヤブ山歩き (No.55)  八瓶山(344.5m)  

2万5千分の1地形図「中飯」 城里町 平成20年2月23日

  旧七会村(現城里町)の八瓶山(やつかめさん)を歩く。道路地図を広げると七会村はその80%が森林ということで、主な道路は県道と、山麗に点在する集落を結ぶ林道が交通手段のようだ。地形図を見ると山頂に行き着く道は示されていないが、山頂からは明瞭な尾根が南北と西に派生している。山頂に近い道路を歩きながら取り付く尾根を探そうと思う。

那珂川に架かる大桂(だいけい)大橋を渡り、県道112号阿波山徳蔵(あわやまとくら)線を走り、徳蔵(とくら)地区から八瓶山のあるゴルフ場方面に向かう北方面の道に入る。ゴルフ場を右に見るようになると、右に岩下方面と書かれた林道らしき道が現れ、この道に入る。すぐに数台が駐車できるスペースに車を止める。正面に高い山が見えるがあれが八瓶山か。

1118分歩き始める。登り口を捜しながら少しの間舗装道路を歩くが、すぐに左手の小さな沢に入る。沢に入ると右手すぐ先の尾根に乗る。ここで現在地を確認すべく、地形図を広げた。ここは地図には現れないコルで、この先尾根が不明瞭な急斜面の登りがあり、登りきると八瓶山から北に派生する尾根に乗るが、ここは地図に書かれていないが小ピークとなっているはずだ。    

ここから斜面に取り付く。背丈くらいに生長したアズマザサが繁茂しこれを掻き分けながら歩くが、これが終わると斜面は急になりツツジなどの灌木帯になる。落葉が堆積し小枝につかまり滑りながら登る。1142分尾根に乗った。真冬のこの時期だが今日の山は春の感じで、汗がどっと噴出してくる。眼下にはゴルフ場、西には八瓶山のピークが見える。ここから少し下って登り返すと山頂となる。                                   

1148分八瓶山山頂に着いた。山頂には三等三角点が設置され、八瓶山と書かれたプレートが2枚、立ち木に取り付けられていた。なぜか山頂周辺だけはヒノキの人工林が残されている。三角点近くには瓶(かめ)8個埋められている。それこそ梅干でも漬けるような瓶で蓋を開けてみると雨水が一杯たまっていた。何のためだろうか、ここは信仰の山なのだろうか。私が登ったのは道なき道のきついところを登ってしまったが、帰りは南側の尾根をたどって降りてみよう。

山頂から少し下ると小さな石の社が祀られて日本酒が供えられていた。やはり地域信仰の山のようだ。立ち木につかまりながらの急斜面の尾根をたどると田んぼに出た。あぜ道を歩くと可憐な小さなオオイヌノフグリが咲き始め、春を感じて嬉しくなる。道路に出ると八瓶山登山道を示す案内板が立てられていた。

前方の林道に入り、少し先に車を止める この左手の沢に入りすぐ前方の尾根に乗る
八瓶山山頂。手前に8つの瓶が見える 山頂にあった碑石。文政2?と読める
山頂からの急斜面 八瓶山案内板と後ろに八瓶山