茨城のヤブ山歩き (No.5)  四ツ峰 (311m)   

2万5千分の1地形図「常陸太田」   日立市 平成14年11月23日

  日立市内国道6号を油縄子から県道日立常陸太田線に入る。諏訪梅林から常磐高速の高架下を通り、日立セメント大平田鉱山の採石場近くになると、進行方向左手に急峻な山が見える。ここが今回の山行である。
  
  地形図でアクセス地点を探す。四ツ峰山頂からは北に明瞭な尾根が県道に降りているが、かなりの急斜面であり、距離を考えてもここを登ったのでは面白くない。西斜面は崖状になっており、登るのは東か南からとなりそうだ。アクセスは諏訪梅林先の道路からか、それとも諏訪から東西に走る破線で示された道から入るか、慎重に地形図を見る。その結果距離は多少長くなるが、四ツ峰から東に明瞭な尾根が、常磐高速上のピークを通り、鮎川と書かれた場所に達していた。ここは取り付き場所が解りさえすれば、最初の急斜面を登ればあとは比較的平坦な縦走路となるであろうと考えられた。 
  
  車を諏訪梅林の少し先の駐車場に止め、鮎川に掛かる橋を渡る。11時20分、道路は遮断されて車は入ることはできないが、舗装された道を歩き始める。ここは地形図では高速道路で道はなくなっている。少し歩くと道に尾根が下がっているのが確認できた。植林された杉林の中で急斜面の尾根である。もう一度地形図を見る。もう一つの尾根が鮎川から派生している。もう一度橋まで戻った。橋を過ぎるとすぐに鮎川から派生している尾根が確認できたが取り付きがはっきりしない。11時43分見当を付け山に入る。杉の枯れ葉が堆積している山から、すぐ尾根の急登となる。踏み跡などなく、ふかふかの急登で歩きにくい。アキレス腱がびんびんと伸びるのが感じる。山の所有者が入っているのだろう、杉林の中あちこちに見られるサカキの木が切られている。常緑のサカキは日立の山中、あちこちで見られるが、これが増えると山は暗くなる。葉を落とさない常緑の木は、広い樹林地帯ならともかく、里山には向かない。南国の照葉樹は別として、北部の山には落葉樹が似合う。これは私だけの思いだろうか。すぐ右手に常磐高速道路。

  11時56分杉林を抜け広葉樹林の尾根に出た。尾根上の木に白いテープが巻かれていた。正面にピークが見える。すでに落葉の堆積した山肌ではあるが、この尾根には道らしきものが感じられる。12時10分最初のピークに着いた。標高は220mを越える。ここからは南西方面に地形図上の240.8mのピークが見える。山頂には赤松、リョウブ、サカキ。小休止後、縦走路の尾根を歩き始める。途中ツルリンドウやミヤマシキミの真っ赤な実、ヤブコウジも小さいながら真っ赤な実を付けている。12時33分二つ目のピーク。周囲は樹林に囲まれ展望はない。尾根上には東京営林署の標石。境界見出標と書かれていた。なぜ高萩営林署ではなく東京営林署なのだろう。すぐ近くを犬にも似た鳴き声が聞こえた。尾の長い立派なキジの仲間の雄のヤマドリがすぐ近くの斜面を歩いていた。
  
  12時44分標高311mの四ツ峰山頂着。山頂には標石が二つ。一つには方角を示す+の印が付けられて
いる。ここには三角点も標石もないはず。北から西にかけて下には大きな採石場。山が荒々しく削り取られており、白い石灰石の岩肌をさらしている。北には高鈴山の電波塔が見える。四ツ峰とはその名の通り四つの峰から名付けられたのであろうか。北に延びる四つ目の峰の先に出た。尾根は急激に落ちている。採石場がすぐ下に見え、段々状に山は切り開かれていた。一体どこまで切り開くのであろうか。紅葉の進んだ山々が青空の下美しい。  四ツ峰の地図を見る
  帰りは同じ道を辿るが、最後は登りとは別な急斜面の尾根を下り、2時5分駐車場に着いた。